会社はどうやってたたむ?費用や手順M&Aの選択肢まで徹底解説

会社をたたむ決断は経営者にとって重い選択ですが、適切な手順を踏めば法的にも財務的にも整理された形で事業を終えられます。

一方で、廃業以外にもM&Aという選択肢があり、従業員の雇用維持や譲渡対価の獲得など、経営者と関係者双方にメリットをもたらす可能性があります。

実際、後継者不在や業績悪化を理由に廃業を検討する企業の中には、適切な買い手を見つけることで事業を存続させるケースも少なくありません。

そこで今回は、会社をたたむ際の具体的な費用と手続きの流れを7ステップで解説します。

さらに、廃業とM&Aのどちらを選ぶべきか判断するポイントや、清算後の残余財産の扱いについても紹介するので、事業の出口戦略に悩む経営者の方はぜひ参考にしてください。

最適な選択肢を見極めたいなら、株式会社M&Aミライ・パートナーズが運営する「M&A比較ナビ」の利用がおすすめです。

廃業コストとM&A譲渡額の比較、手続きの複雑さ、専門家報酬まで一目でわかり、あなたの会社に最適な出口戦略を選べるのでぜひ利用してみてください。

\登録・相談無料!/

目次

会社をたたむとは?

会社をたたむとは、事業を終了し、必要に応じて会社を解散・清算して法人格を消滅させることを指します。

倒産のように債務超過で強制的に事業が終わるケースとは異なり、廃業は自主的な判断による事業終了です。

主な廃業理由は、後継者不在や経営者の高齢化です。

2025年版中小企業白書によれば、2024年時点で休廃業・解散企業のうち黒字企業は51.1%でした。

税務署への廃業届出や解散登記も必要となるため、弁護士や税理士など専門家へ相談すると安心です。

早期に準備を始めれば、従業員や取引先への影響を最小限に抑えながら、残余財産を確保できます。

会社をたたむ3つの理由と判断タイミング

会社をたたむ決断に至る背景は経営者によって異なりますが、主な理由は以下の3つです。

以下では、実際の廃業事例で多く見られる代表的な理由と、決断すべき具体的なタイミングを解説します。

後継者不在で事業承継できない

少子高齢化により子どもが事業を継がず、社内にも適任者がいない状況が深刻化しています。

数年かけて親族、社内、M&Aでの後継者探しを行っても候補が見つからない場合、廃業の検討が必要です。

事業承継は長期的な準備が必要で、数年から10年程度かけて進めるケースもあります。

そのため、50代から第三者承継を視野に入れないと選択肢が失われるおそれがあります。

業績悪化で再建の見込みがない

業績悪化で再建の見込みがない状況とは、売上減少や赤字が続き、改善策を講じても事業を立て直せない状態です。

コロナ禍や物価高、取引先倒産の影響により、中小企業白書では休廃業企業の赤字割合が増加傾向にあります。

業績悪化の主な原因は、既存顧客の離脱や新規開拓の失敗による売上急減です。

経費削減にも限界があるため資金繰りが悪化し、売上アップ施策や新規事業展開といった改善策を試みても効果が出ない場合は、再建見込みの判断が必要になります。

具体的な判断基準は、売上が前年比30%減少し経費削減後も赤字が拡大している、銀行融資が断られた、資金繰り表で半年以内の資金枯渇が予測されるといったケースです。

これらに該当し、借入やリスケジュールも難しい場合は、再建が難しい状況と判断されやすくなります。

早期に廃業を決断すれば資産を残せますが、判断を遅らせると負債が増え倒産リスクが高まります。

専門家と資金繰り表を作成し、個人資産まで食いつぶす前の段階が廃業のタイミングです。

経営者の健康問題や高齢化が進んだ

経営者の健康問題や高齢化による廃業は、体力低下や病気により事業継続が困難になるケースです。

高齢化により意思決定の遅れや新規投資への対応が追いつかず、業績悪化を招く事態が増加しています。

健康状態や体力の変化を感じた段階で、早めに引退や承継の準備を始めることが重要です。

後継者がいない場合、経営者の急な引退で廃業に追い込まれやすくなります。

体調不良による入院で判断力が低下し、社員管理が困難になる前に、健康に余裕がある50代前半から引退計画を立てるようにしましょう。

会社をたたむ際にかかる主な費用

会社をたたむ際には解散から清算結了まで複数の費用が発生し、会社の規模や状況によって数十万円から数百万円に及びます。

主な費用は、以下のとおりです。

以下では、廃業時に必ず発生する5つの主要費用について、具体的な金額の目安とともに解説します。

登記費用

株式会社の場合で会社をたたむ際の登記費用は、以下の通りです。

  • 解散登記:30,000円
  • 清算人選任登記:9,000円
  • 清算結了登記:2,000円
  • 合計:41,000円

これは法務局に納める登録免許税で、自分で申請すればこの金額のみで済みます。

ただし司法書士に依頼する場合は、別途7〜12万円程度の報酬がかかり、フルサポートでは15〜30万円かかる事務所もあります。

解散決議後や承認後は2週間以内の申請が必須で、期限を過ぎると過料が科される可能性があるため注意が必要です。

官報公告費用

官報公告費用は掲載行数によって変わりますが、一般的には数万円程度が目安です。

債権者保護手続きとして、解散事実と2ヶ月以内の債権申出を官報に掲載することが会社法で義務付けられています。

掲載料は1行あたり約3,589円で、解散公告は通常9〜12行程度になるため、11行の場合で約43,000円前後です。

官報への掲載だけでなく、把握している債権者には個別に郵送で通知する必要があり、郵送代として数百円が追加で発生します。

公告を怠ると清算人個人が責任を追及されるリスクがあるため、確実な手続きが必要です。

申込は官報販売所にWebまたは郵送で自分で行えます。

専門家報酬

専門家報酬は、司法書士と税理士を合わせて30〜80万円前後が相場です。

司法書士への登記書類作成・申請代行は約8〜12万円、フルサポートで約15〜30万円かかります。

税理士への解散確定申告や清算確定申告、残余財産申告の依頼は8〜50万円と幅があります。

また、以下によっては報酬額が変動するため注意が必要です。

  • 過去の申告未了
  • 複雑な資産
  • 在庫過多
  • 従業員の有無

セットプランを提供する事務所では、総額30万円程度に抑えられるケースもあります。

自分ですべて手続きすれば法定費用のみで済みますが、手続きの煩雑さやミス防止の観点から、専門家に依頼する会社も少なくありません。

在庫や資産の処分費用

在庫や資産の処分費用は、変動が大きく黒字廃業でも数百万円かかるケースがあります。

在庫処分はセール売却なら手数料が数%発生し、廃棄する場合は業者依頼でトラック1台あたり数万円〜数十万円かかります。

設備や車両は売却時に仲介手数料3〜5%、廃棄時は別途費用が必要です。

賃貸物件の原状回復費用は数十万円〜数百万円と特に高額になりやすく、スケルトン戻しが求められる場合は負担が増えます。

売却益が出れば法人税や消費税の課税対象となる一方、廃棄損は損金算入で税メリットがあるため、早めに業者見積もりと在庫棚卸しを行うことが重要です。

従業員の退職関連費用

従業員の退職関連費用は、人数が多いと数十万円〜数百万円単位になる変動費です。

退職金は就業規則や労働契約に規定があれば支払い義務があり、勤続年数×基本給×係数で算出され1人あたり数十万円かかります。

規定がない場合は任意ですが、多くの会社が支払っている費用です。

30日以上前に通知しない場合は、解雇予告手当として平均賃金×不足日数分の支払いが義務付けられています。

未払給与や有給買上、離職票発行、社会保険・雇用保険の資格喪失手続きでも会社負担が発生します。

トラブル防止のため廃業1ヶ月前までの通知が推奨され、ハローワークや年金事務所への届出は5〜10日以内に行わなければなりません。

会社をたたむ手続きの7ステップ

会社をたたむ手続きの7ステップは、以下のとおりです。

STEP
株主総会で解散決議

まずは、株主総会で解散決議を行いましょう。

決議には特別決議が必要で、議決権の過半数を有する株主が出席し、出席株主の議決権の3分の2以上の賛成を得なければなりません。

解散決議と同時に清算人を普通決議で選任し、ほとんどの場合は元代表取締役が清算人になります。

招集通知を全株主に送付する必要がありますが、株主全員が出席する場合は省略できます。

議事録と株主リストの作成も必須です。

会社法第309条第2項第11号と第471条第3号に基づき、少数株主保護のため厳格な決議が求められています。

解散決議後は営業を停止し、清算会社として存続します。

STEP
解散登記と清算人選任

株主総会後は、本店所在地を管轄する法務局に解散登記と清算人選任登記を同時申請しましょう。

解散決議日から2週間以内の申請が会社法第915条で義務付けられており、期限を過ぎると過料が科される可能性があります。

必要書類は株主総会議事録と定款、就任承諾書、株主リスト、登記申請書で、申請書は法務局HPからダウンロード可能です。

清算人は通常1人ですが複数でも可能で、代表清算人も指定します。

登記完了後は登記簿に清算中と表示され、取引先や銀行に対して清算段階に入ったことが公示されます。

STEP
債権者保護手続き

債権者保護手続きは、取引先や銀行などの債権者を守るために債権申出の機会を与えるステップです。

清算人就任後、官報に会社解散と2ヶ月以上の債権申出期間を掲載し、把握している債権者には郵送で個別通知を行うのが一般的です。

申出期間中は原則として債務弁済が禁止されており、少額の債権、担保権によって担保される債権、その他弁済しても他の債権者を害するおそれがない債権については裁判所の許可で支払いが認められます。

会社法第499条に基づく義務で、期間内に申出がなかった債権者は除外できますが、把握している債権者は個別催告で保護されます。

手続きを怠ると清算人個人が責任を追及されるリスクがあるため、確実に実施しましょう。

STEP
財産目録と貸借対照表作成

財産目録と貸借対照表作成は、会社の全財産をリストアップする財産の棚卸し作業です。

会社法第492条に基づく義務であり、以降の債務弁済や残余財産分配の基礎資料となるため、清算開始後は遅滞なく作成しなければなりません。

具体的には、清算人が解散日時点の現金、売掛金、不動産などの資産と負債を調査し、財産目録と貸借対照表を作成します。

作成後は速やかに株主総会で普通決議による承認を受け、会社に保管します。

監査役設置会社では監査も必要ですが、株主全員の同意があれば総会の省略が可能です。

STEP
債務弁済と残余財産分配

債務弁済と残余財産分配は、債権者保護期間終了後に行う実際の清算作業です。

売掛金回収や資産売却で現金化し、借入金や買掛金などの債務を公平に優先弁済します。

債務弁済後に残った残余財産は、株式持分比例で株主に分配されます。

公告期間満了後の2ヶ月以上経過してから実施でき、分配は残余確定後速やかに行わなければなりません。

債務弁済が優先されるため、残余財産がゼロでも問題ありません。

非金銭資産を分配する際は株主への事前通知が求められます。

会社法第503条、第504条、第505条に基づき、債権者保護手続を適切に実施しておくと、清算手続を適法に進めやすくなります。

STEP
清算決了の承認

清算決了の承認は、清算が終了したかを株主が最終確認するステップです。

清算人が収入・支出・残余財産の明細を記載した決算報告書を作成し、株主総会で普通決議による承認を受けます。

承認されることで清算事務が完了となり、清算結了の前提が整います。

清算事務終了後速やかに実施する必要がありますが、株主全員の同意があれば省略可能です。

会社法第507条に基づく手続きで、清算期間が長引く場合は清算中も毎年株主総会を開いて事務報告を行う必要があるケースもあります。

STEP
清算結了登記で完了

清算結了登記は、会社が法的に消滅する最後の登記手続きです。

法務局に清算結了登記を申請すると登記簿が閉鎖され、法人格が消滅します。

承認日から2週間以内の申請が必要で、登録免許税は2,000円かかり、司法書士に依頼する場合は別途報酬が発生します。

会社法第929条に基づく手続きで、登記完了後は税務署などに清算結了届を提出する必要があります。

届出には異動届出書と登記謄本を添付し、清算結了届の提出をもって会社をたたむ手続きが終了となります。

参照:e-Gov 法令検索|会社法

「本当は会社をたたみたくない」「別の選択肢を探したい」場合は、廃業を決める前に「M&A比較ナビ」で専門家に相談してみましょう。

完全無料で利用できるため、最適な譲渡先が見つかる可能性があります。

\登録・相談無料!/

会社をたたむよりM&Aを選ぶべきケース

会社をたたむ決断をする前に、M&Aという選択肢を検討する価値があります。

従業員の雇用を守りたい経営者

従業員の雇用を守りたい経営者には、廃業よりM&Aがおすすめです。

廃業では全従業員を解雇せざるを得ませんが、M&Aなら8割以上のケースで雇用が維持されます。

買い手企業は事業継続に必要な人材を重視するため、雇用条件や給与、待遇を引き継ぐ契約を結びやすいのが特徴です。

中小企業庁も買い手にとって従業員の専門スキルを必要としており、従業員10名以上または社員の再就職先が心配な場合は、M&A仲介で雇用継続を条件に交渉すべきです。

技術やノウハウに価値がある会社

独自の技術やノウハウを持つ会社は、廃業ですべてを失うよりM&Aで高く評価されます。

特許や製造ノウハウ、専門スキルなどの無形資産は財務諸表に表れにくいものの、買い手企業が自社に足りない部分を補うために高額で買う傾向があります。

中小企業庁も知的資産の承継が事業承継の核心と位置づけており、特許保有や独自ノウハウがある場合、競合他社が興味を示す兆候が出たら即座に相談すべきです。

専門家による企業価値評価で技術力が高いほど譲渡価格が上がりやすくなります。

顧客基盤や取引先との関係を残したい

廃業では顧客が散逸しますが、M&Aなら事業基盤ごと引き継がれて関係が継続します。

買い手企業は既存顧客を即戦力として活かせるため、顧客リストや取引先ネットワークの価値が高く評価されやすいです。

中小企業庁も顧客情報と取引先人脈の承継をM&Aの強みとしており、リピート顧客が多い場合や取引先との信頼が厚いBtoB事業では特に効果的です。

廃業公告前にM&Aマッチングすれば顧客離れを抑えられ、買い手が同業や関連業種だと関係維持がしやすくなります。

廃業コストをかけずに譲渡対価を得たい

廃業には登記や公告などで数十万円〜数百万円かかりますが、M&Aならこれらのコストをほぼかけずに売却益を得られる点がメリットです。

無形資産も含めて企業価値が評価されるため、黒字だけでなく赤字企業でも、技術・顧客基盤・人材などに価値があれば譲渡できる可能性があります。

中小企業庁もM&Aで会社売却の利益を得られるメリットを強調しており、廃業費用試算で50万円以上かかる場合や老後資金が欲しい場合に検討するとよいでしょう。

成功報酬型のM&A仲介なら初期費用を抑えられます。

後継者不在だが事業は成長余地がある

後継者不在でも事業に成長余地がある場合、M&Aで第三者に託すのがおすすめです。

市場拡大余地や新規投資の可能性がある事業は、買い手の大手企業が資本や販路を投入することでさらに発展します。

経営者70歳未満で売上や利益に上昇余地があり、業界が拡大傾向の場合は、事業承継・M&A支援センターや地域金融機関に相談すればマッチング支援を受けられます。

まとめ|会社をたたむ決断の前に知るべきこと

会社をたたむ決断は経営者にとって重い選択です。

適切な手順を踏めば、法的にも財務的にも整理された形で事業を終えられます。

通常、会社の解散から清算結了までには最短2ヶ月強、実務的には3〜6ヶ月程度かかり、資産・債権が複雑な場合は1年以上かかることも珍しくありません。

一方で、従業員の雇用維持や譲渡対価の獲得を考えるなら、廃業ではなくM&Aや事業譲渡の選択肢もあります。

廃業とM&Aのどちらを選ぶべきか迷ったら、「M&A比較ナビ」で専門家に相談しましょう。

あなたの会社に最適な出口戦略を見極めつつ、廃業コストとM&A譲渡額の比較、手続きの複雑さまで把握できるため、後悔しにくい決断ができます。

\登録・相談無料!/

会社をたたむことに関するよくある質問

会社をたたむのに必要な期間は?

会社をたたむのに必要な期間は、最短で2〜3ヶ月、実務では3〜6ヶ月程度が目安です。

会社法で定められた債権者保護手続きの官報公告に最低2ヶ月以上の待機期間が必要で、この期間は短縮できません。

資産が少なく債権者も少ない会社なら2ヶ月半〜3ヶ月で完了しますが、不動産売却や未回収売掛金が多いと1年以上かかるケースもあります。

解散後1年以内に清算が終わらない場合は、清算事業年度の確定申告が毎年必要です。

会社をたたむと代表者の信用情報に影響はある?

自主的な廃業の場合、代表者の個人信用情報に直接的な影響はありません。

会社と代表者は、法律上別の人格です。

ただし個人保証がある場合、会社債務が残ると代表者個人に請求が来て、未払いのまま放置すると個人延滞情報が登録されます。

債務超過で破産手続きを選んだ場合も、個人保証がトリガーとなって信用情報に影響が出る可能性があります。

きれいに清算した廃業なら、住宅ローンや新事業融資の審査に影響しません。

個人保証のリスクが心配な場合は、廃業だけでなくM&Aも選択肢になります。

M&A比較ナビ」で専門家に相談し、個人保証の解除が見込める譲渡先を探す方法もあります。

\登録・相談無料!/

お役に立ったらシェアお願いします
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次