少子化の影響で志願者数が年々減少し、経営の継続に悩んでいる。
教育理念を守りながら、施設や教職員の雇用を維持する方法を探している。
本記事では、学校法人におけるM&Aの基本的な仕組みから、価格相場、実際の事例、信頼できる仲介会社までをわかりやすく解説します。経営の安定や教育環境の維持を目指す理事や関係者の方は、選択肢の一つとして参考にしてみてください。
学校法人のM&Aとは
学校法人のM&Aとは、私立学校を運営する法人が、経営の引き継ぎや再建を目的に、第三者に運営を託す仕組みです。一般企業のように株式を売買できないため、理事長や理事の交代や、学校そのものの譲渡といった方法が使われます。
少子化による定員割れや後継者不在の課題に対応する手段として、近年注目が高まっています。
学校法人のM&Aと他業界の違い
学校法人のM&Aは、株式会社のように株式を売買することができないため、理事長や理事の交代によって経営権を引き継ぐのが一般的です。
また、学校は公益性の高い事業であるため、教育理念の継承や教職員・学生への配慮が重要です。買い手が教育方針を大きく変える場合は、関係者の理解を得ることが求められます。
一方、一般企業のM&Aではスピードや収益性が重視され、比較的自由に経営戦略を変更できます。学校法人のM&Aは、法的な制約や行政の認可手続きが必要であることも特徴です。
このように、学校法人のM&Aは「教育機関ならではの慎重な調整」が求められる点が、他業界との大きな違いです。
学校法人のM&Aの価格相場
学校法人のM&Aでは、取引価格はスキームや学校の規模により異なります。
たとえば、理事長や理事を交代させて経営権を引き継ぐ場合、数千万円~数億円の退職金が支払われるケースが一般的です。一方、学校や施設のみを譲渡する「事業譲渡」では、純資産に加えてブランドやノウハウなどの価値が価格に反映されます。
小規模な幼稚園や専門学校では数千万円〜1億円前後、中規模以上の学校法人では数億円以上となることもあります。都市部にある不動産や生徒数の多さ、ブランド力などが価格を左右する要素です。
学校法人のM&Aは、教育資源の価値を正しく見極めたうえで、専門家のサポートを受けながら進めることが大切です。
学校法人のM&Aの事例
近年、少子化や経営難を背景に、学校法人同士の統合や事業の引き継ぎといったM&Aが活発化しています。
学校法人のM&Aの成功事例は、以下のとおりです。
以下では、実際に行われた事例を通じて、どのような背景や目的でM&Aが実施されているのかを見ていきます。
事例1. 清泉女学院と清泉女子大学の合併
学校法人清泉女学院と学校法人清泉女子大学は、2023年9月に合併基本合意書を締結し、2024年3月に合併契約書に調印しました。
そして2025年4月1日付で両法人は合併し、清泉女学院が存続法人となりました。清泉女子大学は解散しますが、引き続き清泉女学院が設置する大学として存続します。
この合併の背景には、少子化による経営環境の厳しさや、建学の精神の共有とブランド統一があります。これにより、法人全体の経営基盤を強化し、相互補完的な学部構成を活かした教育機会の拡充が期待されました
事例2. 天理大学と天理よろづ相談所学園の合併
2023年4月、天理大学と天理よろづ相談所学園は法人合併を行い、天理大学が存続法人となりました。これにより、天理よろづ相談所学園が運営していた天理医療大学は、天理大学の医療学部として引き継がれています。
両法人は同じ宗教的理念と地域性を共有しており、合併によって教育・研究体制の強化や医療分野の連携を図りました。また、学生の学びの幅を広げるため、単位互換制度などの制度整備も進められました。
この合併は、教育資源の統合による経営効率化と、地域社会への貢献を両立させた事例です。
事例3. 駿河台学園とリソー教育との資本業務提携
2019年、学校法人駿河台学園と株式会社リソー教育は、資本業務提携を結びました。駿河台学園はリソー教育の株式を取得し、両者の連携を強化しています。
この提携により、両者は合弁会社「駿台TOMAS(仮称)」を設立しました。リソー教育の個別指導のノウハウと、駿台予備学校の集団指導の強みを組み合わせ、難関校受験に特化した教育サービスの展開を目指しています。
資本提携と教育資源の融合により、新たな学習環境を提供することを目的とした、戦略的な取り組みです。
学校法人のM&Aにおすすめの仲介会社・サービス
学校法人のM&Aには、業界特有の制度や手続きに精通した専門的なサポートが欠かせません。
学校法人のM&Aにおすすめの仲介会社・サービスは、以下のとおりです。
スムーズな交渉や的確な価格評価を実現するためにも、信頼できる仲介会社やサービスの活用が重要です。
どの会社に相談すべきか迷う方には、実績豊富な仲介会社を比較検討できる「M&A比較ナビ」がおすすめです。希望条件に合った専門家をスムーズに見つけられるため、初めてのM&Aでも安心して進められます。
アドバイザリー株式会社

会社情報 | 詳細 |
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サポート内容 | ・学校法人・専門学校のM&A実績がある専門アドバイザーがフルサポート ・売り手企業の現状ヒアリングから企業価値算定レポート提示 ・成功報酬体系で譲渡・売却をサポート |
サポート体制 | ・専任アドバイザーによる初期~クロージング同一担当制 ・「基本合意契約」締結まで一切費用が発生しない ・平均4.6ヶ月、最短2週間で成約 |
料金体系 | 【基本合意契約 締結時】 基本合意契約において合意された取引見込対価等に対して1% 【最終契約 締結時】 5億円以下の部分:当該部分の額×5% 5億円超10億円以下の部分:当該部分の額×4% 10億円超50億円以下の部分:当該部分の額×3% 50億円を超える部分:当該部分の額×2% |
特徴 | ・累計200件超の成約実績 ・最短2週間でのスピード成約 ・規模や業種、エリアを問わず案件を取り扱う |
運営会社 | アドバイザリー株式会社 |
URL | https://www.ma-advisory.co.jp/ |
アドバイザリー株式会社は、学校法人や専門学校に特化したM&A仲介サービスを提供しています。着手金や中間金が不要な「完全成功報酬型」の料金体系を採用しており、初期費用の負担を抑えて相談を始められるのが特徴です。
平均4.6ヶ月、最短2週間での成約実績があり、スピード感のあるサポートにも定評があります。全国対応で、売上数千万円~数十億円規模の幅広い案件に対応可能です。
教育機関ならではの手続きや要望に丁寧に対応しながら、最適な買い手とのマッチングを実現する、信頼できる仲介会社です。
BATONZ(バトンズ)

会社情報 | 詳細 |
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サポート内容 | ・直接交渉機能 ・会員マイページでの案件管理・進捗確認 ・M&A支援専門家(1,800社超)によるM&Aアドバイザリー支援(マッチング・交渉・契約締結) ・バトンズDD(企業調査)や中小M&A保険(M&A Batonz)のオプション提供 |
サポート体制 | ・取締役・専任スタッフによる全工程サポート(交渉~PMIまで) ・1,800社以上の支援専門家によるエリア・業界特化サポート |
料金体系 | 売り手:成約報告で無料 買い手:成約価額の2.2%(消費税別)、最低38.5万円~ |
特徴 | ・無料で利用可能 ・成約手数料が業界最低水準 ・最短1週間~最長3年で成約実現 ・専門のスタッフが成約までサポート |
運営会社 | 株式会社バトンズ |
URL | https://batonz.jp/ |
BATONZ(バトンズ)は、全国のM&A案件を取り扱う日本最大級のマッチングプラットフォームです。学校法人の掲載実績もあり、教育機関のM&Aにも対応しています。
教育分野では、許認可や理念の継承など特有の配慮が必要です。バトンズでは、業界に詳しい専門家がサポートを行い、学校法人特有の事情にも丁寧に対応します。
売り手は無料で利用でき、買い手は成約時にのみ手数料が発生する成果報酬型の仕組みも魅力です。案件掲載から交渉、成約までをオンラインでスムーズに進められるため、忙しい法人担当者にも適しています。
学校法人のM&Aを効率よく進めたい方にとって、選択肢の幅と使いやすさを兼ね備えたサービスです。
M&Aの精度を上げ、スピード感も担保する、なおかつ会社の業務も回していくとなれば、間違いなく専門家が必要です。経営者などが自分だけでやるべきではない仕事のひとつだと、私は感じました。安全性を担保しながら、スピード感を維持して進めたいなら、専門家に入ってもらうのがおすすめですね。
引用:BATONZ「成功事例」
バトンズは、自分の意思で案件を探せるところが非常に魅力的ですね。使い始めの頃からとてもいいイメージを持っているので、知人の経営者でM&Aに関心のある方にはおすすめしています。
引用:BATONZ「成功事例」
利用者が多いので、魅力的な案件があっても、気づいた時には既に進展していてチャンスを逃してしまうケースも少なくありません。これはM&Aプラットフォーム全般に言えることですが、タイミングの難しさは感じています。
引用:BATONZ「成功事例」
BATONZ(バトンズ)については、以下の記事で詳しく解説しているので、ぜひ参考にしてください。
株式会社ベネフィットM&Aコンサルタンツ

会社情報 | 詳細 |
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サポート内容 | ・学校法人を含む中堅・中小企業のM&Aおよび事業承継支援 ・最適な譲渡先候補の提案およびマッチング ・企業価値評価、条件調整、交渉支援、契約締結まで一貫サポート |
サポート体制 | ・業界を熟知した専門アドバイザーが担当 ・金融機関や会計士、弁護士等との提携ネットワークによる強力な支援体制 |
料金体系 | 完全成功報酬、2,000万円~ 【レーマン方式成功報酬額】 5億円以下:5% 5億円超〜10億円以下:4% 10億円超〜50億円以下:3% 50億円超〜100億円以下:2% 100億円超:1% |
特徴 | ・創業55年以上の親会社ネットワークを活用し、広範な業界に対応 ・学校法人におけるM&A経験と成約実績豊富 ・スピーディーかつ信頼性の高いマッチングと交渉支援 |
運営会社 | 株式会社ベネフィットM&Aコンサルタンツ |
URL | https://www.bmac.co.jp/ |
株式会社ベネフィットM&Aコンサルタンツは、学校法人や専門学校のM&Aに強みを持つ仲介会社です。教育機関特有の制度や資産構造に精通しており、許認可や理念の引き継ぎなどにも丁寧に対応します。
着手金や月額費用が不要な完全成功報酬型を採用しており、初期費用の負担をかけずに相談を始められます。金融機関や弁護士などとの連携体制も整っており、財務・法務面のサポートも万全です。
スピード感のある対応と専門性の高さを兼ね備えた、学校法人にとって心強いパートナーです。
異なる業種のM&Aでしたが、譲受企業様が熱心に業務知識を習得し、グループの売上が増収、増益となりました。
不採算店舗の閉鎖、資本注入の実施、さらに商品のラインナップを一新したことで、業績が回復に向かっています。
とにかく音声品質が悪いです。
何度も聞きかえすと、それはそれは腹が立つほどゆっくり話しだしました。笑経営のことで社長に話がある。具体的には?と聞くと
経営のことなので社長以外には話せません、と。
それでは結構です、と伝えるとわかりました、とあっさり切りました。
引用:電話帳ナビ
学校法人のM&Aの動向
学校法人のM&Aは、少子化や経営難への対応策として注目が高まっています。特に地方の大学や専門学校を中心に、経営基盤の強化や教育資源の再編を目的とした動きが加速しています。
近年は、地方大学同士の統合や、専門学校の買収、オンライン教育企業との提携など、多様な形でM&Aが行われています。ICTやグローバル教育を取り入れるための動きも活発で、国際連携やキャンパスの海外展開に向けた取り組みも進んでいます。
また、2025年4月には私立学校法の改正が予定されており、財務情報の開示やガバナンス強化が求められるようになります。これにより、より慎重かつ専門的なM&A対応が必要となります。
今後も、教育の質を維持しながら持続可能な運営を図る手段として、M&Aはさらに重要な選択肢になっていくと考えられます。
学校法人のM&Aのスキーム
学校法人のM&Aでは、株式会社のように株式を売買する形が取れないため、他業界とは異なるスキームが用いられます。経営権の引き継ぎや資産の譲渡など、法人の性質に応じた方法を選ぶことが重要です。
学校法人のM&Aのスキームは、以下のとおりです。
以下では、代表的なスキームの種類や特徴について詳しく解説します。
経営支配権の譲渡
学校法人には株式がないため、M&Aでは理事長や理事の交代によって経営権を引き継ぐ方法が取られます。これを「経営支配権の譲渡」と呼びます。
買い手は理事会の過半数を占める人事を行い、意思決定をコントロールできる体制を整えます。一方、売り手側の理事長や理事には、譲渡の対価として退職金が支払われるのが一般的です。
経営支配権の譲渡は、手続きが比較的シンプルで、認可の有無に左右されにくいため、学校法人のM&Aでよく使われています。
事業譲渡
事業譲渡は、学校法人が運営する特定の学校や施設だけを、別の法人に譲り渡すスキームです。法人全体を売却するのではなく、建物や設備、契約、教職員などの資産や事業を個別に移転します。
この方法では、理事の交代や法人の解散は必要なく、譲渡側は他の事業を継続できます。一方、譲受側は、引き継ぐ教育資産に応じた対価を支払い、必要に応じて「のれん代(ブランドやノウハウの価値)」も上乗せします。
運営主体は変わりますが、学校としての運営が継続されるため、生徒や教職員への影響を抑えながら、事業再編を進めたい場合に適した手法です。
合併
合併は、学校法人同士が統合するスキームです。「吸収合併」では一方の法人が存続し、もう一方を取り込む形となります。「新設合併」では、両法人が解散し、新たな法人を設立します。
合併では、理事会の議決や所轄庁の認可、債権者への公告など、複数の手続きが必要です。退任する理事への退職金が発生することもあります。
学校のブランドや教育資源を維持したまま経営基盤を強化したい場合に、有効な選択肢となるスキームです。
学校法人のM&Aを活用するメリット
学校法人にとってM&Aは、単なる経営権の移転にとどまらず、将来に向けた戦略的な選択肢のひとつです。少子化や経営環境の変化に直面する中で、M&Aを活用することで得られる利点は多岐にわたります。
以下では、具体的なメリットについて譲渡側と譲受側に分けて詳しく見ていきます。
譲渡側のメリット
学校法人がM&Aで事業を譲渡することで、まず 学校運営の継続が可能になります。少子化や後継者不在により廃校の危機に直面している場合でも、M&Aを活用すれば早期に別法人への引き継ぎが可能で、生徒や教職員への影響を最小限に抑えて教育活動を継続できます。
また、譲渡側の理事長や理事には 退職金や譲渡益が支払われるケースがあります。これは事業譲渡や合併に伴う正当な対価として評価され、財務整理や事後処理に活用できるメリットともなります。
譲受側のメリット
譲受側には、まず 認可手続きの省略による新規開設コストの削減というメリットがあります。新たに学校法人を設立するには所轄庁の認可が必要ですが、M&Aではそれを回避できます。
さらに、既存の学生や教職員、不動産などの教育資源を一括で引き継げる点も大きな強みです。このため、生徒数確保や教員の迅速な配置が可能となり、運営を効率化が可能です。
校名やブランド力を備えた学校を取得すれば、入学志願者の増加やブランド価値の向上も期待できます。これにより、収益の安定化や中長期的な経営基盤の強化が図れます。
学校法人のM&Aを実施するポイント・注意点
学校法人のM&Aを成功させるには、教育機関ならではの制度や関係者への配慮が欠かせません。スキームの選定や交渉の進め方を誤ると、思わぬトラブルや手続きの停滞を招くおそれがあります。
以下では、実施前に押さえておくべき重要なポイントと注意点を解説します。
譲渡側の注意点
学校法人がM&Aを進める際は、単に経営権を手放すだけでなく、教育機関としての責任ある姿勢が求められます。買い手との信頼関係を築き、関係者に不安を与えないためにも、準備段階での丁寧な対応が欠かせません。
特に以下の点に注意することが重要です。
- 正確な情報開示を行う
- ガバナンス体制を整備する
- 施設や設備の状態を把握する
- 関係者への丁寧な説明を行う
これらを意識することで、買い手からの評価や信頼を得やすくなり、交渉を有利に進められます。結果として、教育の継続性を守りつつ、円満なM&Aを実現しやすくなります。
譲受側の注意点
学校法人を譲り受ける際は、単に施設や事業を引き継ぐだけではなく、理念・教育方針・関係者との信頼関係まで継承する姿勢が求められます。運営後のトラブルを防ぎ、円滑に統合を進めるためにも、事前の調査と配慮が欠かせません。
特に以下の点に注意しましょう。
- デューデリジェンスを徹底する
- 手続きの複雑さを見越して準備する
- ブランドや教育理念の引き継ぎに配慮する
- 教職員の雇用継続・処遇に注意する
これらのポイントを押さえておくことで、M&A後の混乱や反発を回避しやすくなります。教育機関としての信頼を損なわず、長期的な経営の安定につなげるためにも、丁寧な対応が求められます。
学校法人のM&Aを実施する手順
学校法人のM&Aを実施する手順は、以下の通りです。
まず、M&Aを通じて何を達成したいのか(たとえば継続、資産強化、教育領域の拡充など)を整理します。そのうえで、経営支配権の譲渡・事業譲渡・合併などのスキームを比較し、目的に合致する方式を選定します。
M&Aをスムーズに進めるには、早い段階でアドバイザーや弁護士、会計士などの専門家に相談することが重要です。とくに学校法人は、許認可や教育方針の継承など独自の事情があるため、実績のある仲介会社を選ぶ必要があります。
どの仲介会社に依頼すべきか迷った場合は、「M&A比較ナビ」の活用がおすすめです。希望条件に合う専門家を比較・検討できるため、信頼できるパートナーと出会いやすくなります。
交渉候補が絞られた段階で、相手候補と秘密保持契約(NDA)を締結します。この契約により、機密情報を安全に開示でき、非公開の交渉環境が保たれます。
NDA締結後、財務・法務・労務・運営などを詳細に調査します。教職員名簿や学生数、不動産一覧まで検証し、潜在リスクを把握することが重要です。
合併や経営支配権移転の場合、所轄庁への認可申請や届出が必要です。定款の変更や、債権者への公告・催告も含まれるため、早期に行政折衝を開始することが望まれます。
デューデリジェンス後の条件交渉を経て、最終契約書を締結します。本契約締結をもってM&Aは成立し、その後、対価の支払いや登記・引き継ぎ手続きを進めます。
統合プロセス(PMI)では、教育プランの調整、教職員の移動、共通の運営体制設計などを行います。ブランド、理念、カリキュラムの整合性を維持する工夫も重要です。
運営統合後も、教職員への説明会や保護者への案内など、関係者対応を継続します。また、M&A後の財務・法務サポートを受けながら、安定した運営の維持を図ります。
学校法人のM&Aに関するよくある質問
以下では、学校法人のM&Aを進めるうえで寄せられることの多い質問とポイントを整理しています。
- 教職員や学生への影響やケアは?
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学校法人のM&Aでは、不安や反発を防ぐためにも、変化の内容や意図をわかりやすく伝えることが重要です。
教職員には、雇用や運営方針への影響を説明し、理解を得る必要があります。学生や保護者に対しても、教育内容や学校の体制がどう変わるのかを事前に丁寧に伝えましょう。
同窓会や保護者会との対話も含め、関係者の信頼を保つことが、スムーズな統合とM&Aの成功につながります。
- 株式がないのに、どうやって経営権を移しますか?
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学校法人には株式がないため、理事長や理事を交代させて理事会の構成を変えることで経営権を移します。これが「経営支配権の譲渡」と呼ばれる、学校法人特有のM&A手法です。
譲渡側の理事には、退任時に退職金が支払われることが多く、これが実質的な譲渡対価となります。理事会の構成が経営の鍵を握るため、役員人事の調整が極めて重要です。
特有のスキームに対応できる仲介会社を選ぶには、「M&A比較ナビ」の活用がおすすめです。信頼できる専門家に出会いやすくなります。