警備業界のM&Aとは?事例・スキーム・おすすめの仲介会社まで徹底解説

「警備員の高齢化が進み、若手の人材確保がますます困難になってきた」
「取引先からの要望に応えたいが、人手不足で新規契約に踏み切れない」

この記事では、警備業界におけるM&Aの基本から、実際の成功事例、代表的なスキーム、おすすめの仲介会社までをわかりやすく解説します。事業の将来に悩む経営者や、成長戦略としてM&Aを検討する方は、ぜひ参考にしてみてください。

目次

警備業界のM&Aとは

警備業界のM&Aとは、警備会社が他社との合併や買収を通じて事業承継や規模拡大、人材確保を図る取り組みです。少子高齢化による後継者不足や人員確保の難しさが進む中、M&Aは課題解決の有力な手段として注目されています。

とくに警備業は、契約社員や許認可、取引先との関係性といった「人」と「信頼」に基づく資産が価値を左右するため、非財務面の評価が重視されます。大手では、セントラル警備保障が日本連合警備を、東洋テックが五大テックを子会社化するなど、業務範囲の拡大とノウハウの統合を目的としたM&Aが活発です。警

備業界におけるM&Aは、単なる規模拡大ではなく、事業の質を高め、持続可能な経営体制を築くための戦略的な選択肢といえます。

警備業界のM&Aと他業界の違い

警備業界のM&Aは、他業界と比べて人材や許認可の重要性が特に高い点が特徴です。警備業は業法によって厳しく規制されており、営業継続には公安委員会の認定や有資格者の確保が不可欠です。そのため、譲渡対象に有資格者が在籍していることや、契約先との信頼関係が維持されていることが、企業価値を大きく左右します。

また、警備員は即戦力となる人材の採用が難しく、法定の教育訓練が必要なため、経験者の引き継ぎがM&Aの大きな目的です。機械警備を行う場合は設備投資も重荷となるため、M&Aを通じて財務基盤を強化し、シナジー効果を得るケースも増えています。

さらに、警備業は地域密着型の事業が多く、特定エリアでの営業基盤や顧客との関係性が買収判断に大きく影響します。他業界と比べても、無形資産の評価が重視される点が警備業界M&Aの特徴です。

警備業界のM&Aの価格相場

警備業界のM&Aにおける価格相場は、企業の財務状況や収益性、保有する警備資格・契約の安定性などにより大きく異なります。

一般的には、時価純資産に営業権を加えた上で、2〜5倍の倍率で企業価値が算出されるケースが見られます。また、EV÷EBITDA倍率で評価する場合、業界平均は約3.6倍です。とくに警備員の人数や資格保有率、機械警備装置の有無、地域密着の顧客基盤などが価格に大きく影響します。

正確な相場を把握するには、警備業界のM&Aに詳しい専門家による査定が有効です。

警備業界のM&Aの事例

警備業界では、事業承継や規模拡大を目的としたM&Aが活発に行われています。近年は、地域密着型の警備会社を大手が買収する動きや、異業種との連携による新たな価値創出も注目されています。

警備業界のM&Aの成功事例は、以下のとおりです。

以下では、実際に行われた代表的なM&A事例を紹介し、それぞれの背景や狙いを詳しく見ていきます。

事例1. セントラル警備保障による東亜警備保障の子会社化

セントラル警備保障株式会社は、2023年4月に栃木県の東亜警備保障株式会社を子会社化しました。

東亜警備保障は1970年創業で、常駐警備や機械警備、運輸警備を展開しており、地域に根ざした実績のある企業です。今回のM&Aでは、セントラル警備保障が東亜警備保障の株式74.7%を取得し、グループに迎え入れました。

この買収により、セントラル警備保障は栃木エリアの営業基盤を強化し、機械警備事業の拡大を図ることを目的としています。今後は、両社の強みを活かしたサービス展開により、地域密着型の警備体制をさらに高め、グループ全体の成長につなげていく方針です。

事例2. 東洋テックによる五大テックの完全子会社化

東洋テック株式会社は、2022年5月に大阪市の警備会社・五大テック株式会社を完全子会社化しました。五大テックは、施設警備や機械警備、建物管理、情報システム、人材派遣、不動産など幅広いサービスを展開しています。

今回のM&Aにより、東洋テックは五大テックの顧客基盤やノウハウを取り込み、警備業務とビル管理の一体運営を実現しました。これにより、サービス品質の向上と業務効率の強化が期待されています。警備業界におけるエリア拡大と体制強化の好事例といえます。

事例3. 綜合警備保障によるらいふホールディングスの買収

綜合警備保障(ALSOK)は、2020年4月に介護施設などを展開する「らいふホールディングス」の全株式を取得し、完全子会社化しました。らいふホールディングスは、首都圏で47の介護施設を運営し、約2,000室の提供実績を持つ企業です。また、食品衛生検査などを手がけるグループ会社も保有していました。

ALSOKは、今回の買収を通じて警備業の枠を超え、高齢者の暮らしを支えるサービスを強化する狙いです。グループ全体では約6,500室の介護施設ネットワークを構築し、ライフサポート事業を本格展開しています。さらに、食品検査事業についても、既存顧客との連携によるサービス展開が進められています。

本件は、警備と介護・検査といった異なる分野を融合させ、グループ全体の価値向上を図る戦略的なM&A事例といえるでしょう。

警備業界のM&Aにおすすめの仲介会社・サービス

警備業界でM&Aを成功させるには、業界特有の法規制や人材管理の課題に精通した専門的な支援が不可欠です。

警備業界のM&Aにおすすめの仲介会社・サービスは、以下のとおりです。

以下では、警備業界のM&Aに対応した仲介会社やサービスを紹介します。企業規模やニーズに合った選択を行うための参考にしてください。

どこに相談すべきか迷っている場合は、複数の仲介会社を一括で比較できる「M&A比較ナビ」の活用もおすすめです。

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経営承継支援

出典:経営承継支援
会社情報詳細
サポート内容・警備業界含む中小企業のM&A・事業承継支援
・初期アドバイスや事業承継プランの提示
・買い手選定、企業価値算定、交渉支援、契約締結の支援
サポート体制・警備業界出身の専任チームが担当
・国内どこでも対応可能
料金体系【売り手】
合計:以下の料率表より
計算される金額(最低1,000万円)
(成功報酬の内訳)
①:100万円
②:合計から①を控除した残額
(料金)
5億円以下の部分:5%
5億円超〜10億円以下の部分:4%
10億円超〜50億円以下の部分:3%
50億円超〜100億円以下の部分:2%
100億円超の部分:1%
【買い手】
(成功報酬の内訳)
100万円
最終契約締結時の成功報酬の料金表
5億円以下の部分:5%
5億円超〜10億円以下の部分:4%
10億円超〜50億円以下の部分:3%
50億円超〜100億円以下の部分:2%
100億円超の部分:1%
特徴・業界特化ではなく全業種対応ながら、警備業にも対応可能
・M&A支援件数・実績が豊富
・「一社でも多く」を実現する業務体制
運営会社株式会社経営承継支援
URLhttps://jms-support.jp/

経営承継支援(JMS サポート)は、警備業界に対応したM&A・事業承継の仲介サービスです。

警備業界出身の専任コンサルタントが在籍しており、後継者不足や人員の確保、許認可の維持といった課題に対して的確なサポートを行います。

完全成功報酬型で、売り手には原則として費用がかからないため、初めてでも安心して利用できます。事業価値の算定から買い手企業の選定、条件交渉、契約締結まで一貫して支援する体制が整っており、全国対応も可能です。

警備員の引き継ぎや地域密着型の顧客基盤など、警備業ならではの実務にも精通しているため、業界内でのM&Aを検討している企業にとって心強いパートナーです。

>>経営承継支援の公式サイトを見てみる

経営承継支援に関する詳しい情報は、下記の記事をあわせてご覧ください。

SECURITY BRIDGE(セキュリティブリッジ)

出典:SECURITY BRIDGE(セキュリティブリッジ)
会社情報詳細
サポート内容・警備業界に特化したM&Aおよび事業承継支援
• 経営者ニーズに応じた最適な買い手候補の提案
• 企業価値評価から交渉・契約成立まで一貫サポート
サポート体制・警備業界の専門アドバイザーによる個別対応
・30名規模から400名以上の警備企業まで対応実績あり
・全国対応で経営者と密な面談を重視
料金体系完全成功報酬
特徴・警備業界専門のM&A仲介会社
・スピード重視で最短即日買い手候補紹介が可能
・従業員や地域への配慮にも強みがあり、安心取引を実現
運営会社株式会社SECURITY BRIDGE
URLhttps://security-bridge.co.jp/

SECURITY BRIDGE(セキュリティブリッジ)は、警備業界に特化したM&Aアドバイザリーです。

警備業界のM&A実務経験を持つ専任アドバイザーが、中小警備会社の後継者不在や人手不足、許認可維持などの課題に応じた提案を行います。M&A支援は完全成功報酬型で、着手金や中間報酬が不要な点も安心です。

さらには、初期段階での無料診断や企業価値の算出、セカンドオピニオン提供、契約交渉支援までを一貫して実施します。また、地域密着型の事業承継事例や数か月での成約実績も豊富にあり、譲渡先の選定から給料や雇用継続への配慮まで丁寧に対応しています。

警備業界特有の事情に精通した支援体制が整っており、安心して任せられるサービスです。

>>SECURITY BRIDGE(セキュリティブリッジ)の公式サイトを見てみる

ベネフィットM&Aコンサルタンツ

出典:ベネフィットM&Aコンサルタンツ
会社情報詳細
サポート内容・警備業界を含む中堅・中小企業のM&Aおよび事業承継支援
・最適な譲渡先候補の提案およびマッチング
・企業価値評価、条件調整、交渉支援、契約締結まで一貫サポート
サポート体制・業界を熟知した専門アドバイザーが担当
・金融機関や会計士、弁護士等との提携ネットワークによる強力な支援体制
料金体系完全成功報酬
【レーマン方式成功報酬額】
5億円以下:5%
5億円超〜10億円以下:4%
10億円超〜50億円以下:3%
50億円超〜100億円以下:2%
100億円超:1%
特徴・創業55年以上の親会社ネットワークを活用し、広範な業界に対応
・警備業界におけるM&A経験と成約実績豊富
・スピーディーかつ信頼性の高いマッチングと交渉支援
運営会社株式会社ベネフィットM&Aコンサルタンツ
URLhttps://www.bmac.co.jp/

ベネフィットM&Aコンサルタンツは、警備業界に対応しているM&A仲介会社です。

業界の事情に精通した専任アドバイザーが、後継者不足や資格者の引き継ぎ、許認可の維持といった警備業特有の課題にも丁寧に対応します。創業から55年以上の実績と、金融機関や専門家との幅広いネットワークを活かし、売り手企業に最適な譲渡先を提案できるのが強みです。

料金は売り手側完全成功報酬型で、着手金や月額費用は不要のため、初めての方でも安心して相談できます。警備業界のM&Aを検討している方にとって、信頼性の高いパートナーです。

>>ベネフィットM&Aコンサルタンツの公式サイトを見てみる

警備業界のM&Aの動向

警備業界では、後継者不在や人材不足といった課題から、M&Aを通じた事業承継や再編の動きが加速しています。特に中小規模の警備会社では、従業員の高齢化や新規採用の難しさから、自力での存続が困難となり、大手グループへの参入や同業他社との統合が進んでいます。

また、地方に拠点を持つ企業のなかには、地域密着型サービスを維持しつつ、M&Aによって経営基盤を強化する事例も増加傾向です。さらに、機械警備やAI・ロボット導入といった設備投資が求められる中で、資金力のある企業との統合を選択する動きも見られます。

2024年は日本全体でM&A件数が過去最多を記録し、警備業界でもその傾向が続いています。今後も、DXや業務効率化を追い風に、優良な警備会社への注目がさらに高まるでしょう。業界に精通した仲介会社のサポートを受けながら、自社に合ったM&A戦略を立てることが重要です。

警備業界のM&Aのスキーム

警備業界でM&Aを検討する際は、どのような手法を用いるかによって、契約内容や法的手続き、譲渡後の運営体制に大きな違いが生じます。会社の規模や目的に応じて、適切なスキームを選ぶことが重要です。

警備業界のM&Aのスキームは、以下のとおりです。

以下では、警備業界でよく活用されるM&Aスキームの特徴について詳しく解説します。

株式譲渡

株式譲渡は、売り手企業の株式を買い手企業が取得することで、経営権を引き継ぐ方法です。法人そのものが存続するため、警備業の許認可や既存の契約、従業員の雇用もそのまま引き継げます。手続きが比較的シンプルで、事業への影響が少ないため、中小規模の警備会社でよく使われるスキームです。

事業譲渡

事業譲渡は、会社全体ではなく、特定の営業権や資産、契約など必要な部分だけを選んで引き継ぐ方法です。不採算部門を切り離したい場合や、事業の一部だけを譲渡したいときに適しています。ただし、従業員の再契約や許認可の取り直しが必要なケースが多く、手続きに時間や手間がかかる点には注意が必要です。

合同会社設立や持株会社による吸収・合併

複数の会社を統合する際には、合同会社を設立したり、持株会社を活用したりして吸収・合併を行う方法もあります。たとえば、ALSOKファシリティーズが他業種と組み合わせたように、警備だけでなく施設管理や建物サービスなど、関連する業務を一体化するケースが見られます。組織再編を伴う分、事前の計画と調整が重要です。

異業種企業の参入型M&A

不動産業や介護業、IT業など、警備業とは異なる分野の企業がM&Aを通じて警備業に参入するケースも増えています。たとえば、介護と警備を組み合わせて高齢者の見守り体制を強化したり、IT企業が警備システムのデジタル化を進めたりといった動きがあります。異業種との連携により、新しいサービスや価値が生まれるのが特徴です。

警備業界のM&Aを活用するメリット

警備業界では、人手不足や事業承継の課題に直面する企業が増えており、M&Aは事業の継続や成長を実現する手段として注目を集めています。以下では、譲渡側・譲受側それぞれの立場から、M&Aを活用することで得られる具体的なメリットを紹介します。

譲渡側のメリット

警備会社を売却することで、後継者問題を解決し、事業を継続できるという大きなメリットがあります。廃業を避けられるだけでなく、創業者利益としてまとまった資金を得られる点も魅力です。

さらに、従業員の雇用や取引先との関係を守れるため、会社の信頼や地域とのつながりも引き継ぐことができます。譲渡先が大手企業であれば、ブランド力や経営資源を活かしながら、事業の発展も期待できるでしょう。

譲受側のメリット

M&Aにより、すでに実績のある人材や設備、警備のノウハウをまとめて獲得できるのが大きな利点です。

自社だけでは時間のかかる地域拡大や業務領域の拡張もスピーディに実現できます。また、M&Aによって生まれるスケールメリットや業務の効率化により、コスト削減や利益向上も期待できます。とくに競争が激化するなかで、成長スピードを高めたい企業にとって有効な手段です。

警備業界のM&Aを実施するポイント・注意点

警備業界でM&Aを進める際には、業界特有の制度や実務上の留意点を把握しておくことが重要です。とくに、許認可の承継や人材の引き継ぎ、契約関係の整理など、慎重な対応が求められます。スムーズなM&Aを実現するために押さえておきたいポイントを、以下で詳しく解説します。

譲渡側の注意点

M&Aを進める際は、売却後にトラブルが起きないよう、事前の準備が重要です。まず注意したいのが、簿外債務や過去の法的リスクです。未開示の借金や契約トラブルが後から発覚すると、損害賠償を求められるおそれがあります。こうしたリスクを避けるには、表明保証条項を契約に盛り込み、責任範囲を明確にすることが大切です。

また、従業員の不安を軽減することも欠かせません。突然の売却に驚き、退職するケースもあるため、丁寧な説明と条件の明示が求められます。さらに、譲渡後に同業種で再起業するのを防ぐため、競業避止義務を契約に含めることも一般的です。

最後に、譲渡条件の優先順位を事前に整理しておきましょう。価格、従業員の雇用継続、譲渡時期など、どこまで譲歩できるかを明確にすることで、スムーズな交渉につながります。

譲受側の注意点

買収する側にも、慎重な準備が求められます。まずは財務・法務・人事などの分野で、徹底的なデューデリジェンスを行いましょう。隠れた債務や訴訟リスクがないかを調べることが、安定した事業承継につながります。

次に、買収後の収益見込みを過大に評価しないことが重要です。計画どおりに利益が出ないケースも多いため、現実的な収支予測と買収価格の見直しが欠かせません。

さらに、警備業は人材の専門性が高く、待遇や働き方の変化に敏感な業界です。従業員が離職しないよう、雇用条件を維持したうえで、安心感を与える対応を心がけましょう。

統合後の経営効果(シナジー)を発揮するには、業務体制や教育制度の整備も必要です。買収の目的を明確にし、どのように活かしていくかを計画したうえでM&Aを実行することが成功のポイントです。

警備業界のM&Aを実施する手順

警備業界M&Aを実施する手順は、以下の通りです。

STEP
M&Aの現状把握と目的の明確化

まずは自社の現状を正確に把握し、M&Aの目的を明確にすることが重要です。たとえば、後継者問題の解決、業務効率化、事業拡大など、目的によって適したスキームや交渉方針が異なります。現状分析を通じて、M&Aが本当に最適な手段かどうかも確認しましょう。

STEP
仲介会社や専門家の選定

M&Aには専門的な知識や経験が必要なため、警備業界に精通した仲介会社やアドバイザーを早い段階で選定することが大切です。仲介会社の支援を受けることで、交渉・書類作成・価格評価などが円滑に進みます。実績や業界理解の深さも重視しましょう。

どの専門家に依頼するか迷っている方は「M&A比較ナビ」の活用をおすすめします。

M&A比較ナビなら、仲介会社のトップレイヤーを直接紹介してくれるため、初めてM&Aを実施する方も安心して利用できます。

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STEP
ターゲット企業の選定とアプローチ

目的に合致した企業をターゲットとして選定し、具体的なアプローチを開始します。仲介会社のネットワークを活用すれば、非公開案件を含めた候補先の発見が可能です。初期段階では、相手企業の事業内容や財務状況などを概略的に把握することが求められます。

STEP
秘密保持契約(NDA)の締結

本格的な情報開示の前に、秘密保持契約(NDA)を締結します。これにより、M&A交渉中に知り得た機密情報が第三者に漏れることを防ぎ、信頼関係を築くことができます。契約内容は法的リスクがないか専門家に確認しておきましょう。

STEP
初期的なデューデリジェンス(DD)

NDA締結後、初期的なデューデリジェンスを実施します。財務・人事・契約関係など、対象企業のリスクを大まかに把握する段階です。警備業界では、認可・従業員の定着率・主要取引先との関係性なども確認ポイントとなります。

STEP
買収条件の交渉

初期DDを踏まえて、買収金額やスキーム、譲渡後の経営体制などの条件交渉を行います。条件がまとまれば、基本合意書(LOI)を締結し、交渉を次のステップに進めます。互いの意向を尊重した柔軟な対応が成功の鍵です。

STEP
詳細デューデリジェンス

基本合意後、より踏み込んだ詳細なデューデリジェンスを実施します。税務・法務・労務・許認可の実態などを専門家とともに精査します。警備業では認定警備業者としての登録情報や過去の行政指導の有無なども重点的に確認されます。

STEP
最終契約書作成と締結

詳細な調査結果と交渉内容を踏まえて、最終契約書を作成・締結します。譲渡価格、引継ぎ期間、従業員対応など、重要事項を明確に盛り込むことが重要です。双方が納得したうえで締結できるよう、専門家によるチェックを必ず行いましょう。

STEP
行政許認可の確認・申請対応

警備業M&Aでは、都道府県公安委員会への届出など、特有の許認可手続きが必要です。買収後も警備業の認可が継続されるよう、計画的に手続きを進める必要があります。必要書類の整備や所轄への事前相談も含め、慎重な対応が求められます。

STEP
クロージング(決済)

すべての条件が整ったら、対価の支払いと株式・資産の移転を実行します。このタイミングで実質的な事業承継が完了し、法的な譲渡が成立します。支払い方法やタイミングは、契約内容に基づき正確に進めましょう。

STEP
PMI(統合プロセス)の実施

クロージング後は、PMI(Post Merger Integration)として組織・制度・人材の統合を進めます。警備業では従業員の引継ぎや業務マニュアルの整備が特に重要です。統合が円滑に進むよう、経営陣と現場が連携しながら丁寧に対応していきます。

警備業界のM&Aに関するよくある質問

以下では、警備業界のM&Aを進めるうえで寄せられることの多い質問とポイントを整理しています。

地方の小規模警備会社でもM&Aは可能ですか?

地方の小規模警備会社でも、M&Aの実施は十分に可能です。

近年は後継者不足や人材難を背景に、地域密着型の企業にも買い手がつくケースが増えています。とくに警備業界では、安定した契約先や有資格者の在籍といった要素が評価されやすく、小規模でも事業価値が認められやすいです。また、M&A仲介会社による小規模案件への対応体制も整いつつあり、安心して相談できる環境が広がっています。

M&A比較ナビ」では、規模や地域に合った仲介会社を効率よく比較できるため、初めてM&Aを検討する企業にもおすすめです。

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赤字企業や債務超過企業でも売却できますか?

赤字や債務超過の企業でも、M&Aによる売却は可能です。

たとえ業績が悪くても、顧客基盤や許認可、人材などに価値があれば買い手が見つかるケースがあります。特に警備業界では、地域性やノウハウが評価されやすい傾向にあります。

ただし、借入金の保証解除や税務上の課題があるため、専門家の支援が不可欠です。「M&A比較ナビ」なら、こうしたケースに対応できる仲介会社を無料で探せるため、まずは相談してみるのがおすすめです。

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