社会福祉法人M&Aとは?価格相場や事例、活用のメリット・デメリットも紹介

「このまま事業を続けられるのだろうか」
「地域の利用者に迷惑をかけたくない」

本記事では、社会福祉法人におけるM&Aの基本、価格相場、メリット・デメリット、そして実際の事例まで、わかりやすくご紹介します。法人の未来を考える一助として、ぜひお役立てください。

目次

社会福祉法人M&Aとは

社会福祉法人のM&Aとは、株式を使わず事業を他法人に引き継ぐ手法で、「合併」「事業譲渡」「役員交代による実質的な経営交代」が主に使われます。

少子高齢化や人手不足、後継者不在などを背景に注目されており、経営の効率化やサービスの安定提供、不採算事業の整理などが期待されます。

一方で、所管庁の承認や定款変更、関係者への説明など多くの手続きが必要です。適切な準備と行政との連携が成功の鍵となります。

社会福祉法人M&Aと他業界の違い

社会福祉法人のM&Aは、営利企業のように株式を使わず、「合併」または「事業譲渡」によって事業や権利義務を引き継ぐ方法です。

いずれも公益性を損なわない適正な対価評価が必要で、厚生労働省や都道府県などの所管庁の認可、定款変更、補助金資産の扱い、職員・利用者への説明など多くの手続きを伴います。

営利企業のM&Aは株式を使って企業価値を算定し、株主利益の最大化を目指しますが、社会福祉法人では地域住民や行政を重視し、サービスの継続や地域福祉の維持が目的です。医療法人や学校法人など他の非営利法人とも制度上の違いがあり、各法人の特性に合わせた進め方が求められます。

社会福祉法人業M&Aの価格相場

社会福祉法人のM&Aでは、営利企業のような株式評価は使われず、「時価純資産額+営業利益の3~5年分」で譲渡価格を算定するのが一般的です。これは非営利法人としての公益性を守りつつ、適正な対価を決めるための方法です。

たとえば首都圏の介護施設では3,000万円~1億円、地方では2,000万~7,000万円、小規模な訪問介護では500万~2,000万円程度が目安です。保育所や障害者施設では1,000万~3,000万円台、福祉工場では500万円前後の事例もあります。

価格は、利用者数や利益の安定性、不動産価値、事業の種類、地域の需要などで大きく変わります。不適切な価格設定は所管庁の規制に触れる可能性があるため、最終的には専門家の助言をもとに個別に判断する必要があります。

社会福祉法人業界M&Aの事例

社会福祉法人におけるM&Aは、合併や事業譲渡といった多様な形で実施されており、地域や施設の特性に応じたスキームが選ばれています。

以下では、実際に行われたM&A事例を取り上げ、その背景や特徴を紹介します。

実務における具体的な進め方や留意点を知る手がかりとして、ぜひ参考にしてください。

事例1. 社会福祉法人ひらいルミナルによるNPOヒーライトネット譲渡

社会福祉法人ひらいルミナルは、2021年4月にNPO法人ヒーライトねっとから「ゆい」「くらふと」「江戸川区精神障害者地域生活安定化支援事業」の3事業を一括で事業譲渡により承継しました。

これにより、両法人で培ったノウハウと地域の信頼をもとに、支援体制を統一しながらサービスを継続。利用者支援の中断や職員の雇用不安もなく、行政の承認を経てスムーズに移行されました。

法人統合によって運営効率と信用力を高め、柔軟な地域活動も継続するなど、公益性と効率性を両立した好事例となっています。

事例2. 社会福祉法人閑谷福祉会による社会福祉法人浜っ子の障害福祉サービス事業譲受

社会福祉法人閑谷福祉会は、2021年12月、同じ備前市内の社会福祉法人浜っ子から障害福祉サービス3事業を一括で譲り受けました。

浜っ子側は運営体制の見直しに迫られ、利用者の支援継続を最優先に閑谷福祉会への譲渡を決定。閑谷福祉会は地域サービスの一元化とガバナンス強化を目的に基本合意を交わし、所管庁の承認を経て職員の転籍も含めた円滑な移行を実現しました。

定款や許認可の統一によって信用力を高め、運営効率とサービス品質を向上させた好事例です。

事例3. 花王株式会社による社会福祉法人スミや「和佐福祉工場」譲受

社会福祉法人スミやが運営していた「和佐福祉工場」は、長年にわたり障がい者の就労支援を行ってきました。2020年4月、花王株式会社がこれまでの協力関係を背景に、同工場の資産・負債・従業員を一括で事業譲受しました。

譲渡後は「花王和歌山工場」内の一部門「和佐グループ」として運営され、障がい者スタッフも変わらず製造業務に従事しています。

花王の品質管理や安全衛生体制の下、無災害記録を更新するなど労働環境も大幅に向上しています。この取り組みは、企業の社会的責任と事業運営を両立させる好事例として、CSRレポートなどでも注目されています。とくに「和歌山方式」として、インクルーシブな雇用のモデルケースとして高く評価されています。

社会福祉法人業M&Aにおすすめの仲介会社・サービス

社会福祉法人のM&Aは、手続きの複雑さや公益性の配慮、所管庁との調整など、一般企業とは異なる専門的な知見が求められます。そのため、法人形態や事業特性に精通した仲介会社の支援を受けることが成功の鍵となります。

以下に紹介するサービスは、社会福祉法人に特化した実績やノウハウを持つ仲介会社ばかりです。

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日本財務戦略センターは、社会福祉法人のM&Aに特化したコンサルティング会社です。

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社会福祉法人M&Aの動向

社会福祉法人のM&Aは、少子高齢化や後継者不足などの課題を背景に、近年大きく広がっています。

福祉サービスの多様化に対応するため、事業譲渡や合併を通じて専門性や規模を補い合う動きが活発になり、2024年には年間150件以上のM&Aが成立したと見られています。特に小規模法人では、経営の安定やコスト削減といったスケールメリットが注目されています。

国も支援を強化しており、「合併・事業譲渡等マニュアル」の公開や手続きの標準化に取り組み、2025年度中にはガイドラインの見直しも予定されています。

社会福祉法人では、株式譲渡が使えないため、事業譲渡や合併など非営利法人に適した方法が選ばれており、法人ごとに最適なスキームが検討されています。今後は、行政手続きの効率化やDXの推進を追い風に、さらにM&Aの件数が増え、新しい統合の形も生まれていくと考えられます。

社会福祉法人M&Aのスキーム

社会福祉法人のM&Aでは、営利企業と異なり株式の譲渡が使えないため、実施可能な手法に一定の制約があります。

その一方で、事業承継や経営再編を円滑に進めるために、複数のスキームが工夫されてきました。

社会福祉法人M&Aの主な形態とスキームは、以下のとおりです。

以下では、実務でよく用いられる代表的な手法について紹介します。

合併

社会福祉法人同士が統合する際に用いられる手法で、「吸収合併」と「新設合併」の2種類があります。

吸収合併では存続法人が消滅法人の権利義務をすべて引き継ぎ、新設合併ではすべての法人が解散し、新たな法人を設立します。いずれの場合も、所轄庁の認可を得る必要があり、定款や基本財産の変更、公益性の維持に関する審査が求められます。

合併により人材やノウハウの統合、スケールメリットによる運営効率化が期待できる一方で、不要事業の分離が難しく、手続きに時間とコストがかかる点には注意が必要です。

事業譲渡

介護や保育など特定の事業単位ごとに、有形・無形資産や契約、職員などを他の法人へ移転する手法です。

譲渡には定款変更や基本財産の処分に関する所轄庁の承認が必要で、国庫補助金取得財産や寄付財産が含まれる場合は省令に基づく追加の承認も求められます。

譲渡先にも社会福祉法人としての許認可が必要ですが、不要部門のみを切り出せるため、サービスを継続しながら経営の効率化を進めやすいのが利点です。ただし、利用者契約や雇用契約の引継ぎは個別に手続きを行う必要があるため、対応に手間がかかる点には留意が必要です。

評議員・理事メンバー交代(実質的M&A)

評議員会や理事会の構成を変更することで、経営権を実質的に移転する手法です。

所轄庁の事前認可が不要で、役員変更届出のみで完了するため、短期間かつ低コストで実施できます。ただし、法人資産の移転は伴わず、対価の授受も原則できないため、報酬や退職金を設定する際はあらかじめ定款などで整備が必要です。

また、事業の拡大や体制の再編を同時に進めたい場合は、合併や事業譲渡といった他の手法と組み合わせる必要があります。

社会福祉法人M&Aを活用するメリット

社会福祉法人におけるM&Aは、経営資源の再配置や事業の持続性確保に役立つ手段として、近年注目が高まっています。特に、地域福祉の需要が多様化するなかで、法人の枠を越えて協力体制を築くことが重要になってきました。

以下では、M&Aを通じて得られる主なメリットについて、具体的な観点から整理していきます。

譲渡側のメリット

社会福祉法人がM&Aを活用すると、経営基盤が安定し、老朽施設への対応や人件費の上昇にも余裕を持って取り組めます。

後継者がいない場合でも、法人格やサービスを守りながら、不採算部門だけを手放し、強みのある事業に資源を集中できます。合併で管理部門をまとめればコスト削減にもつながり、譲渡で得た資金を公益事業や本部の運営に再投資することも可能です。

譲受側のメリット

譲受側の社会福祉法人にとって、M&Aは既存の施設や人材、利用者、ノウハウをまとめて引き継げる有効な手段です。

ゼロから事業を立ち上げるよりも短期間で運営を始められ、複数法人の統合によって物品の共同購入や人員の共有が可能となり、効率化と収益性の向上が期待できます。

また、譲渡元の専門サービスや設備を取り入れることで提供内容の幅が広がり、新たな地域にもリスクを抑えて進出しやすくなります。さらに、専門家ネットワークや管理体制の整備を通じて、ガバナンスや法令順守の体制強化も図れます。

社会福祉法人業界でM&Aを実施するポイント・注意点

社会福祉法人におけるM&Aは、公益性の確保や行政手続きの複雑さといった独自の制約がある一方で、経営の安定やサービス継続に向けた有効な選択肢となり得ます。

円滑かつ適正なM&Aを実現するためには、売り手・買い手の双方が各プロセスで押さえるべきポイントや注意点を正しく理解しておくことが欠かせません。

以下では、実務上とくに重要となる視点を整理しながら詳しく解説していきます。

譲渡側の注意点

社会福祉法人がM&Aを進める際は、所轄庁への定款変更や基本財産処分の承認など、許認可に関する手続きが複雑で時間もかかるため、余裕をもった準備が不可欠です。

譲渡価格は、非営利法人の対価性ルールに沿って公正に評価し、過大・過小評価を避ける必要があります。

また、専門家と連携して、簿外債務や補助金の返還リスク、雇用契約の履行状況などを丁寧に調査し、M&A後のトラブルを防ぎます。職員や利用者には早めに説明会を実施し、同意を得ることで、離職やサービス中断のリスクを軽減できます。

さらに、登記や借入金に関する手続き、資産・負債の移転スケジュールも綿密に管理し、不採算部門の切り離しと中核事業への集中によって、譲渡の効果を最大化することが重要です。

譲受側の注意点

買い手となる社会福祉法人は、まず必要な許認可を確実に取得し、所轄庁と事前に協議を行いながら、事業継続に向けた手続きを整えることが重要です。非営利法人として適正な対価を支払うためには、寄附金や内部留保、借入れなどを組み合わせた資金計画も必要になります。

また、譲渡法人の簿外債務や補助金返還義務、雇用契約の状況などを丁寧に調査し、専門家の助言をもとにリスクを見極めます。譲受後の円滑な運営に向けては、職員配置や利用者契約の引き継ぎに対応するための体制整備も欠かせません。

さらに、評議員会や理事会の体制を見直し、税理士や社労士など専門家のネットワークを活用することで、ガバナンスや内部統制を強化します。

譲渡側のノウハウや設備を活かしながら、共同調達や人材共有といったスケールメリットを活用し、地域ニーズに合ったサービスの多様化をめざすことが大切です。

社会福祉法人M&Aを実施する手順

社会福祉法人M&Aを実施する手順は、以下の通りです。

STEP
事前協議・基本設計

M&Aの準備段階では、譲渡や譲受の相手、対象となる事業の範囲、実施方法(合併・事業譲渡など)を明確にします。そのうえで、秘密保持契約を結び、基本合意書を取り交わします。

また、所轄庁へ事前に相談し、認可に必要な条件や運用上のルールを確認しておくことで、今後の手続きをスムーズに進めるための基盤を整えます。

STEP
合意形成・契約準備

基本合意の内容をもとに、理事会や評議員会でスキームの採用や対価の支払い方針を決定します。そのうえで、合併契約書や事業譲渡契約書の内容(譲渡の範囲、対価の条件、表明保証など)を詳細に詰めていきます。

あわせて、債務の引き受けや従業員の引き継ぎに関する契約も並行して準備を進めます。

どの専門家に依頼すれば良いか分からない場合は「M&A比較ナビ」の活用をおすすめします。

M&A比較ナビなら、仲介会社のトップレイヤーを直接紹介してくれるため、初めてM&Aを実施する方も安心して利用できます。

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STEP
デューデリジェンス(調査)

買い手側(または双方で)公認会計士による財務調査、弁護士による法務調査、現地での業務運営の確認を行います。

具体的には、介護保険法や職員配置基準の遵守状況を含めてチェックし、簿外債務や補助金の返還義務、運営上のリスクを洗い出します。これらの結果をふまえて、譲渡価格や契約内容を調整します。

STEP
行政申請・定款変更

デューデリジェンスの結果と契約内容をもとに、吸収合併や新設合併の認可申請、定款変更の承認、補助金や寄付財産の移転承認など、所轄庁へ必要書類を提出します。

これらの手続きを完了させることで、法的に問題のない状態で最終契約に進む準備が整います。

STEP
最終契約締結・登記・移転

所轄庁の承認を得た後、合併契約書または事業譲渡契約書の最終版に署名・捺印し、法人登記や不動産登記、債権・債務の移転手続きを司法書士などと連携して進めます。

あわせて、利用者には契約再締結の案内を行い、職員には雇用条件の説明会を実施することで、サービスの継続性をしっかりと確保します。

STEP
クロージング後統合(PMI)

M&A完了後は、財務・人事・業務プロセス・情報システムなどの統合を段階的に進めます。あわせて、新体制の評議員会や理事会を再編し、内部統制を強化します。

職員への研修や利用者へのフォローアップも実施しながら、サービスの品質を維持・向上させ、KPIを用いた成果の検証を行い、必要に応じて統合計画を見直します。

社会福祉法人業界のM&Aに関するよくある質問

以下では、社会福祉法人業界M&Aを進めるうえで寄せられることの多い質問とポイントを整理しています。

評議員・理事メンバーの入れ替えで実質的M&Aは可能ですか?

評議員や理事のメンバーを第三者に入れ替えることで、社会福祉法人でも実質的な経営権の移転が実現できます。

所轄庁の認可は不要で、手続きも比較的簡素なため、時間やコストを抑えて進められます。

ただし、資産の移転や対価支払いには制限があり、公益性や利益相反への配慮が欠けると無効となるおそれもあるため、専門家のサポートを受けて慎重に進めることが大切です。

M&A後の残余財産はどう処理されますか?

M&A後に残余財産が生じるのは、主に事業譲渡や解散清算の場合です。

解散時は、定款で定めた公益法人等に帰属させるのが原則で、未指定・未決定の場合は国庫に帰属します。合併の場合は残余財産の処理は不要です。

法人が存続する事業譲渡では、譲渡対象外の資産について定款や評議員会決議に基づき処分先を定めます。公益性を保つため、すべて法令に則って適切に処理されます。

残余財産について、専門家からのアドバイスを受けたい場合は、M&A仲介会社に相談しましょう。

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