黒字廃業とは?利益が出ている会社が廃業する理由や原因、対策を解説

黒字廃業とは、利益が出ている状態で休廃業・解散することです。

経営状況が比較的安定していても、後継者不在や経営者の引退、将来への不安などを背景に事業を終了するケースがあります。

本記事では、黒字廃業が起こる原因や企業への影響、廃業を避けるための対策について解説します。

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目次

黒字廃業とは黒字の状態で休廃業・解散すること

黒字廃業とは、利益が出ている状態で会社が休廃業・解散することです。

黒字廃業に至る理由は企業によって異なりますが、代表的な要因として後継者不在や経営者の引退、事業承継の難しさなどが挙げられます。

ここでは、黒字企業でも廃業に至る背景や赤字廃業との違いについて解説します。

黒字企業でも廃業する企業は少なくない

帝国データバンクの「全国企業「休廃業・解散」動向調査(2025年)」によると、2025年に休廃業・解散した企業は6万7,949件に上り、そのうち44.7%が直近損益で黒字でした。

黒字企業でも、後継者不足などの理由によって廃業を選択する企業は一定数存在します。

利益が出ている企業であっても、経営者が高齢になり引退を考えた際、会社を引き継ぐ人材がいなければ事業継続が難しくなるためです。

例えば、地域に根付いた優良企業でも、親族や従業員に承継する人がいないことで、やむを得ず会社を閉じるケースがあります。

また、M&Aによる第三者承継という選択肢を知らない、または準備が遅れることも要因の一つです。

黒字廃業を防ぐには、早い段階から事業承継の選択肢を検討することが重要です。

黒字廃業と赤字廃業の違い

黒字廃業と赤字廃業の違いは、廃業時の会社の損益状況にあります。

項目黒字廃業赤字廃業
廃業時の損益状況黒字赤字
経営上の特徴事業自体は一定の収益性を維持している場合がある収益性や財務状況に課題を抱えている場合がある

黒字・赤字はあくまで損益状況を示すものであり、それだけで廃業の理由は判断できません。

たとえば、黒字企業でも後継者が見つからず廃業する場合がある一方、赤字企業でも事業承継や事業再生によって事業を継続できる可能性があります。

そのため、廃業を検討する際は現在の損益状況だけで判断せず、事業の将来性や後継者の有無、第三者への承継可能性なども含めて検討することが大切です。

黒字でも廃業する主な原因・理由

黒字でも廃業する主な原因は、利益が出ていても将来の経営継続に不安を感じる企業があるためです。

黒字企業であっても、後継者不足や経営者の高齢化、将来の事業継続への不安などによって、事業を続けることが難しくなるケースがあります。

ここでは、黒字廃業につながりやすい具体的な原因について解説します。

後継者不足で事業を引き継げない

黒字廃業の大きな原因の一つは、会社を引き継ぐ後継者が見つからないことです。

企業が十分な利益を出していても、経営者が引退した後に事業を運営する人がいなければ、会社を存続させることは難しくなります。

とくに中小企業では、親族への承継を希望する経営者が多い一方で、子どもが別の仕事を選んだり、経営に必要な知識や経験を持つ人材が不足したりするケースがあります。

例えば、長年地域で事業を続け、毎年安定した利益を出している製造業の会社でも、社長の子どもが会社を継ぐ意思がなく、社内にも後継者候補がいないことで廃業を検討するケースも少なくありません。

このような状況を避けるためには、経営者が元気なうちから後継者育成を進めたり、第三者への事業承継であるM&Aを検討したりすることが重要です。

経営者の高齢化・引退

経営者の高齢化や引退は、後継者が見つからない場合に廃業につながる要因の一つです。

とくに中小企業では、経営者が長年事業を運営している一方で、親族や従業員など社内外に後継者がいないケースも少なくありません。

例えば、安定した利益を確保している企業でも、経営者の引退時期までに後継者を確保できなければ、黒字のまま廃業する可能性があります。

一方、赤字企業であっても、後継者が見つかり事業改善の見込みがあれば、事業承継によって存続できるケースも存在します。

そのため、廃業リスクを考える際は、直前の損益状況だけでなく、後継者の有無や経営者の年齢、事業の将来性などを総合的に確認することが重要です。

将来の業績悪化が見込まれる場合

黒字廃業は、現在の業績ではなく将来的な経営リスクを考慮して判断される場合があります。

とくに、特定の取引先への依存度が高い企業や、業界全体の需要が減少している業種では、今後も安定した経営を続けられるか慎重に判断する必要があります。

また、設備の老朽化や人材不足など、将来的に大きな投資が必要になることも廃業を検討する理由の一つです。

例えば、現在は固定顧客から安定した注文を受けている会社でも、その取引先が事業縮小した場合、売上が大きく減少する可能性があります。

将来的なリスクを正しく把握し、早めに事業承継や会社売却などの選択肢を検討することが、黒字廃業を防ぐポイントです。

黒字廃業による影響・注意点

黒字廃業は、会社が利益を出している状態でも、従業員や取引先、経営者自身に大きな影響を与える可能性があります。

そのため、黒字経営が続いている段階から、事業承継やM&Aなど将来の選択肢を検討しておくことが重要です。

ここでは、黒字廃業による影響や注意点について具体的に解説します。

従業員の雇用を維持できなくなる

黒字廃業をすると、従業員の雇用を維持できません。

会社が利益を出していても事業を終了すれば、従業員の雇用を継続できなくなるおそれがあります。

特に地域に根付いた中小企業では、長年勤務してきた従業員への影響が大きくなるでしょう。

例えば、技術やノウハウを持つ従業員がいても、廃業によってその経験を活かす場がなくなるケースがあります。

従業員の雇用を守るためにも、第三者への承継やM&Aなどの選択肢を検討することが大切です。

取引関係や顧客基盤などの経営資源が失われる

黒字廃業では、これまで築いてきた取引関係や顧客基盤などの企業価値が失われる可能性があります。

企業価値は、売上や利益だけではなく、長年培った信用、ブランド、技術、人材なども含まれます。

例えば、地域で高い評価を得ている企業でも、廃業によって取引先への供給が停止したり、顧客が別のサービスを探す必要が生じるでしょう。

将来性のある事業を残すためには、廃業以外の方法も含めて慎重に判断することが求められるでしょう。

設備やノウハウなどの経営資源を活かせなくなる

黒字廃業を選択すると、保有している経営資源を十分に活かせません。

会社には、設備や不動産などの物的資産だけでなく、顧客情報や技術力、従業員の経験といった目に見えない価値があります。

しかし、事業を終了すると、それらの資産を事業価値として引き継ぐことが難しくなるでしょう。

例えば、継続すれば収益を生み出せる事業でも、廃業によって設備やノウハウが活用されなくなるケースがあります。

資産価値を活かすためにも、売却や事業承継の可能性を確認することが重要です。

黒字廃業を避けるためにできる対策4選

黒字廃業を避けるには、後継者の育成や組織体制の整備、事業の磨き上げ、M&Aなど複数の選択肢を早めに検討することが重要です。

黒字企業でも、経営者の引退や後継者不足によって事業継続が難しくなるケースがあるため、業績が安定している段階から将来の経営体制を整えておくことが大切です。

ここでは、黒字廃業を避けるための対策を4つ紹介します。

  1. 早い段階から後継者を育成する
  2. 経営者に依存しない組織体制を整える
  3. 事業の収益性と将来性を高める取り組みを進める
  4. M&Aによる第三者承継を検討する

早い段階から後継者を育成する

黒字廃業を防ぐには、早い段階から後継者を育成することが有効な対策の一つです。

経営者が高齢になってから後継者探しを始めると、十分な引き継ぎ期間を確保できない可能性があります。

例えば、親族や従業員を後継者候補として選び、経営判断や取引先との関係構築を段階的に任せることで、円滑な事業承継につながります。

後継者が決まっていない場合でも、早めに候補者や承継方法を検討することが大切です。

経営者に依存しない組織体制を整える

経営者が不在になっても事業を継続できる組織体制を整えることは、黒字廃業を防ぐために重要な対策です。

中小企業では、経営判断や顧客との関係、営業ノウハウなどが経営者個人に集中しているケースがあります。

その状態で経営者が引退すると、後継者が決まっていても事業を円滑に引き継げない可能性があります。

具体的には、業務マニュアルの整備や権限移譲、幹部・管理職の育成などを進め、特定の人物に依存しない仕組みを構築することが大切です。

また、経営に必要な情報や取引先との関係などを社内で共有しておけば、経営者が交代した際にも事業への影響を抑えやすくなります。

早い段階から組織として経営できる体制を整えることが、将来的な事業承継の選択肢を広げることにもつながります。

事業の収益性と将来性を高める取り組みを進める

事業の収益性や将来性を高めておくことも、黒字廃業を避けるための重要な対策です。

現在は利益が出ている企業でも、将来的に市場規模が縮小したり、顧客ニーズが変化したりすれば、事業の継続が難しくなる可能性があります。

また、事業の成長性が低いと、後継者や外部の経営人材から引き継ぎ先として選ばれにくくなることも考えられます。

企業の収益力と成長余地を高めておけば、事業承継を検討する際にも企業の魅力を伝えやすくなり、廃業以外の選択肢を取りやすくなるでしょう。

M&Aによる第三者承継を検討する

黒字廃業を防ぐ方法として、M&Aによる第三者承継を検討することも選択肢の一つです。

後継者が見つからない場合でも、買い手企業へ事業を引き継ぐことで、会社や従業員を守れる可能性があります。

例えば、自社の技術や顧客基盤を必要とする企業とマッチングすることで、事業を継続しながら経営者が引退できるケースがあります。

M&Aは準備期間が必要なため、業績が良い段階から専門家へ相談することが重要です。

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M&A仲介会社の実績や特徴を比較でき、初めてM&Aを検討する経営者でも相談先を選びやすいサービスです。

会社の価値を次世代へつなぐためにも、早めに専門家へ相談することが有効です。

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まとめ|黒字廃業を避けるなら早めに事業承継を検討しよう

黒字廃業は、会社の業績が良好でも後継者不足や将来への不安によって発生する可能性があります。

大切な企業価値や従業員の雇用を守るためには、早い段階から後継者育成や組織体制の整備、M&A・事業承継などの選択肢を検討することが重要です。

廃業を決断する前に、自社に合った事業承継の方法を確認し、専門家へ相談することも有効な手段となります。

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会社を残す方法を検討する際は、複数の専門家から情報を集めてみてはいかがでしょうか。

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黒字廃業に関するよくある質問

黒字廃業に関するよくある質問をまとめました。

黒字廃業と休業にはどのような違いがありますか?

黒字廃業は会社の事業を終了することで、休業は一時的に事業活動を停止する点が大きな違いです。

廃業を選択すると、会社の資産整理や取引関係の終了などが進み、基本的には事業を再開しません。

一方で休業の場合は、状況が改善すれば事業を再開できる可能性があります。

例えば、後継者が見つかるまで一時的に休業するなど、将来の再開を見据えた判断が取られることもあります。

黒字廃業を決める前に確認すべきことは何ですか?

黒字廃業を決める前には、会社の価値や事業承継の可能性を確認することが重要です。

廃業を検討している場合でも、第三者から見ると魅力的な事業や技術を持っているケースがあります。

例えば、後継者がいない製造業でも、独自の技術や取引先を評価する企業が見つかる可能性があります。

自社だけで判断せず、M&A専門家などへ相談し、売却や承継という選択肢がないか確認することが大切です。

小規模な会社でも黒字廃業を防ぐ方法はありますか?

小規模な会社でも、早めに事業承継の準備を進めることで黒字廃業を防げる可能性があります。

従業員数が少ない企業では、経営者個人への依存度が高く、引退時に事業継続が難しくなる場合も少なくありません。

例えば、経営ノウハウを従業員へ共有したり、外部の買い手企業を探したりすることで、会社を残す選択肢を広げられます。

企業規模に関係なく、将来を見据えた準備を始めることが重要です。

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