M&A戦略とは?立案プロセスやフレームワーク、相談先の選び方を解説

M&A戦略は、売却や買収を進める前に、目的・相手先・条件・相談先を整理するための設計図です。

M&Aありきで進めると、経営課題に合わない相手を選んだり、価格や契約条件の判断が曖昧になったりするおそれがあります。

本記事では、M&A戦略の基本から立案プロセス、活用できるフレームワーク、相談先を選ぶ際の確認ポイントまで解説します。

M&A戦略を実行に移す際は、方針に合う相談先を選ぶことも重要です。

株式会社M&Aミライ・パートナーズが運営するM&A比較ナビでは、複数のM&A仲介会社を比較しながら、自社に合う相談先を探せます。

株式会社M&Aミライ・パートナーズは、独自データベースと13,000社超のネットワークを活用し「情報力・人材力・実行力」 を兼ね備えています。

M&A戦略を整理したうえで相談先を探したい方は、M&A比較ナビの活用を検討してみてください。

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目次

M&A戦略とは

M&A戦略とは、M&Aを行う目的や相手先の選定基準、取引条件などをあらかじめ整理しておく計画のことです。

事前の計画がないまま、価格のみを基準に買い手を選定するのは避けましょう。

本来の目的を見失うと、売却後に従業員の処遇や取引先対応で折り合いがつかず、トラブルを招く懸念があります。

トラブルを防ぐためにも、まずは自社の経営課題や希望条件、絶対に譲れないポイントを明確にすることが大切です。

相手探しの前にブレない判断基準を持っておくことで、目先の価格にとらわれず、売却後や買収後の事業運営まで見据えた交渉が可能になります。

M&A戦略が必要な3つの理由

M&A戦略が必要な理由は、以下の3つです。

M&A戦略がないまま進めると、目先の候補先や条件に流されやすくなります。

M&Aは相手探しだけでなく、価格交渉や契約条件、成約後の引き継ぎまで関係するため、事前に判断基準を整理しておくことが大切です。

1. M&Aありきで進めると目的に合わない相手を選びやすい

M&A戦略がないまま進めると、経営課題に合わない相手を選ぶおそれがあります。

そもそもM&Aは、会社売却や買収を成立させること自体が目的ではありません。

後継者問題の解決や事業拡大、人材確保など、企業ごとに目指す方向は異なります。

たとえば、後継者不在の解決を目指す会社が、短期的な利益を重視する買い手を選んだとします。

その場合、価格面で納得できても、従業員の雇用維持や取引先との関係継続が難しくなるかもしれません。

一方で、販路拡大を目的に買収する会社が、既存顧客との接点が弱い企業を選んだ場合、想定した販売面の効果は薄れてしまうでしょう。

相手先の選定基準を明確にするためにも、M&A戦略の策定が重要です。

目的を言語化しておくことで、価格や規模感に惑わされず、自社の目的に合う相手を見極めやすくなります。

2. 価格や条件の判断基準が曖昧になりやすい

M&A戦略がないと、譲渡価格や条件を判断する基準が曖昧になります。

M&Aでは金額だけでなく、従業員の雇用継続や役員の処遇、取引先との関係維持なども交渉の対象です。

たとえば、提示価格が想定より高くても、従業員の待遇が大きく変わるケースはめずらしくありません。

反対に、価格は希望に届かなくても、雇用や屋号の継続を約束してもらえることも考えられます。

判断軸を持たずに交渉に臨むと、目先の金額に気を取られ、絶対に譲れない条件まで妥協してしまうおそれがあります。

M&A戦略を立てる際は、希望条件に優先順位を付けることが大切です。

価格や従業員の処遇、事業の継続方針を事前に整理しておけば、交渉の場で迷わず冷静な決断を下せるでしょう。

3. 成約後の統合や引き継ぎでつまずきやすい

M&Aでは、契約後に従業員への説明や取引先への引き継ぎ、業務ルールの共有が必要です。

準備が不十分だと、成約後に現場で混乱が生じるおそれがあります。

たとえば、買い手が事業を引き継いだ際、営業担当だけが知る「口頭での値引きや納期の約束」が共有されていないと、取引先との認識のズレが生じるでしょう。

従業員への説明が遅れれば社内に不安が広がり、現場の協力を得にくくなることも考えられます。

M&A戦略を立てる際は、誰が、いつ、何を、どの順番で引き継ぐのかという「成約後の動き」まで整理しておくことが大切です。

M&A戦略を立てる前に決めておきたい5つのこと

M&A戦略を立てる前に、自社の状況や希望条件を整理しておくと、交渉や相手探しの段階で判断に迷いにくくなります。

戦略策定の前段階で決めておきたいポイントは、以下の5つです。

1. M&Aで解決したい経営課題を整理する

M&A戦略を立てる前に、まずは解決したい経営課題を整理しておきましょう。

後継者不在を解決したい会社と、販路を広げたい会社とでは、選ぶ相手が変わってきます。

後継者不在の解消であれば、事業を引き継ぐ体制や従業員の雇用方針が重要です。

一方で、販路拡大が目的なら、相手先の販売網や顧客層の確認が求められます。

課題が曖昧なまま進めると、価格や知名度だけで相手を選んでしまうおそれがあります。

そのため、M&Aを検討する際は、自社の課題を具体的に書き出してみてください。

2. 売却・買収・業務提携など複数の選択肢を比較する

M&A戦略を立てる前に、売却・買収・戦略的提携のどれが自社に合うかを比較検討しましょう。

後継者不在に悩んでいる場合は、「売却による事業承継」が効果的な選択肢となります。

また、自社の販路を広げたいのであれば、「買収」が適している可能性があります。

一方で、経営権を手放したくない場合は「戦略的提携」を検討しましょう。

共同開発や販売協力といった形であれば、会社の独立性を保ったまま他社と連携を図れます。

最初から一つの方法に絞り込んでしまうと、本来の目的に合わない手段を選んでしまうおそれがあります。

自社の経営課題と照らし合わせながら、複数の選択肢をフラットに比較することが大切です。

3. 希望する相手先の条件を明確にする

M&A戦略を立てる前に、希望する相手先の条件を明確にしましょう。

相手に求める条件が曖昧なままだと、価格や会社規模という目先の要素だけで判断してしまいがちです。

従業員の雇用継続を重視する場合、人員体制や処遇に対する相手の考え方を確認しなければなりません。

取引先との関係維持を第一に考えるなら、自社の業界に理解のある企業が候補となるでしょう。

また、既存事業とのシナジーを期待する場合は、相手が持つ販売網や技術力も重要な判断材料となります。

このように条件を整理しておくと、複数の候補先を比較しやすくなります。

自社が絶対に譲れない条件と、柔軟に交渉できる条件を分けて考えておくことが大切です。

4. 価格以外に譲れない条件を決める

価格以外に譲れない条件は、買い手と交渉する前に決めておきましょう。

売却価格だけを基準にしてしまうと、従業員の雇用や取引先との関係、売却後の関与期間などで後悔するおそれがあります。

店舗を譲る場合でも、ただ高く買ってくれる相手より、従業員の雇用を守ってくれる相手を選びたいケースもあるでしょう。

会社売却においても、何を優先するかによって最適な買い手は変わってきます。

価格以外の条件もしっかり整理し、交渉の場で迷わないための基準を作っておきましょう。

5. 相談する仲介会社やアドバイザーを比較する

M&A戦略を立てる前に、相談先となる仲介会社やアドバイザーを比較検討することが大切です。

依頼先によって、サポートの範囲や手数料体系、得意とする業種は異なります。

たとえば、後継者不在による売却であれば、事業承継の支援実績が豊富な会社を選ぶと、引き継ぎや雇用条件の相談がスムーズに進むでしょう。

一方で、買収による事業拡大を狙う場合は、業界に精通し、条件に合う候補先を探せるかが重要です。

依頼先を検討する際は、以下の点を確認してみてください。

  • 支援範囲や担当者の説明は明確か
  • 手数料の内訳を具体的に提示してくれるか
  • 自社の業界や規模に近い支援実績があるか
  • 仲介型の場合、利益相反のリスクについて説明があるか

複数の仲介会社やアドバイザーを比較することで、自社の目的や条件に合う相談先を見極めやすくなります。

まずは複数社に相談し、説明のわかりやすさや担当者との相性も確認しておきましょう。

M&A仲介会社・FA・アドバイザーに戦略を相談すべきタイミング

M&Aは自社だけで進めると、相場観のズレや契約上の見落としが起きやすく、不利な条件で合意してしまうリスクがあります。

以下のような場面では、早めに専門家への相談を検討しましょう。

1. 自社だけで候補先を探せないとき

自社だけで候補先を探すのが難しいときは、M&A戦略コンサルやアドバイザーへの相談を検討してください。

M&Aを納得できる形で進めるには、希望条件に合う相手を見つけることが重要です。

外部の支援機関を活用することで、自社だけでは接点を持てない相手へアプローチしやすくなります。

たとえば、後継者不在で会社売却を検討している際、近隣企業だけに打診しても条件に合う相手が見つかるとは限りません。

アドバイザーに相談すれば、業種や地域の枠を広げて候補先を探すことが可能です。

候補先探しに行き詰まりを感じた場合は、早めに専門家を比較・検討することが大切です。

2. 企業価値や条件の妥当性を判断できないとき

企業価値や条件の妥当性が判断できない場合は、M&A戦略コンサルやアドバイザーへ相談しましょう。

M&Aの譲渡価格は、単に決算書の数字だけで決まるわけではありません。

事業の収益力や資産状況、負債に加え、将来の見通しなども重要な判断材料となります。

たとえば、提示価格が高く見えても支払い時期が遅いケースや、逆に価格は希望に届かなくても従業員の雇用継続を確約してもらえるケースも考えられます。

価値や条件を自社だけで判断しようとすると、どうしても金額の多寡に目が向きがちです。

アドバイザーを介せば、算定根拠の妥当性や条件の優先順位を客観的に確認できるようになります。

3. 契約や手数料の内容に不安があるとき

契約や手数料の内容に不安があるときは、早めにM&A戦略コンサルやアドバイザーへ相談しましょう。

M&Aでは、仲介契約やFA契約の内容を理解したうえで進める必要があります。

手数料の発生時期や契約期間を曖昧にしたまま契約すると、想定外の費用や制約が生じるおそれがあります。

契約前に確認したい項目は、以下のとおりです。

  • 手数料の種類と発生時期
  • 最低手数料の有無
  • 専任条項や直接交渉制限の範囲
  • テール条項(契約終了後も手数料対象となる条件)の対象と期間
  • 中途解約の可否

契約や手数料に不明点がある場合は、契約前に相談しましょう。

内容を理解してから進めることで、後から条件面で迷うリスクを減らせます。

4. 複数の仲介会社を比較したいとき

複数の仲介会社を比較したいときは、M&A戦略コンサルやアドバイザーへの相談を検討しましょう。

仲介会社によって、候補先の探し方や手数料、支援範囲は異なります。

複数の仲介会社を比較する際は、以下の点を確認しましょう。

  • 自社の業界や規模に近い支援実績があるか
  • 候補先の探し方を具体的に説明してくれるか
  • 手数料の種類と発生時期が明確か
  • 担当者との連絡体制に不安がないか

複数社を比べると、自社の目的に合う相談先を選びやすくなります。

M&A比較ナビを活用すれば、仲介会社ごとの特徴を整理しながら比較できます。

自社の業種や目的に合う相談先を絞り込みたい場合は、比較サービスも選択肢になるでしょう。

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M&A戦略の相談先を選ぶときの確認ポイント

M&A仲介会社やFA、アドバイザーは数多く存在し、得意分野や料金体系も会社ごとに異なります。

契約後に「思っていた対応と違った」とならないよう、相談先を選ぶ段階で以下の点を確認しておきましょう。

1. 自社の業界や規模に近い支援実績があるか

M&A戦略の相談先を選ぶ際は、自社の業界や規模に近い支援実績を確認しましょう。

M&Aは、業界や会社規模によって確認しておきたい内容が変わります。

たとえば、建設業なら許認可や職人の引き継ぎが重要になります。

医療・介護業界なら、人員体制や行政手続きも確認が必要です。

そのため、相談前には、以下の点を確認しましょう。

  • 自社と同じ業界の支援実績があるか
  • 売上規模や従業員数が近い案件を扱った経験があるか
  • 売却・買収・事業承継のどれに強いか
  • 業界特有の許認可や商習慣を理解しているか

自社に近い業界や規模の支援実績がある相談先なら、自社の状況に合う進め方を相談しやすくなります。

反対に、実績が大きく異なる場合は、候補先の探し方や条件整理にズレが出る可能性があります。

2. 手数料体系と発生タイミングが明確か

M&A戦略の相談先を選ぶ際は、手数料体系と発生タイミングを必ず確認しましょう。

M&Aの手数料は、相談先によって項目や計算方法が異なります。

成功報酬だけを見て契約する場合、着手金や中間金、月額報酬が別に発生すれば、想定より費用が増える可能性があります。

また、成功報酬はレーマン方式で計算されることも少なくありません。

このように、基準となる価額の考え方によって報酬額が変わるため、事前確認が必要です。

相談前には、以下の点を確認しましょう。

  • 着手金・中間金・月額報酬の有無
  • 成功報酬の計算方法
  • 最低手数料の有無と金額
  • 手数料が発生するタイミング
  • 成約しなかった場合の費用負担

手数料の説明が曖昧な相談先は、契約前に慎重に確認する必要があります。

費用の総額と支払時期を把握したうえで、相談先を比較しましょう。

3. 担当者の経験やサポート範囲を説明してくれるか

M&A戦略の相談先を選ぶ際は、担当者の経験やサポート範囲を確認しましょう。

M&Aでは、相手探しだけでなく、条件整理や交渉、契約、成約後の引き継ぎまで対応が必要です。

担当者がどこまで支援するのかが曖昧だと、必要な場面で追加相談が発生するおそれがあります。

たとえば、候補先の紹介までは対応しても、契約書の確認は別の専門家が必要な場合があります。

その場合、弁護士や税理士との連携体制も確認しておくと安心です。

担当者の経験やサポート範囲が明確なら、相談後の進め方を把握しやすくなります。

説明が曖昧な場合は、契約前に支援範囲を確認しましょう。

4. 中小M&Aガイドラインを踏まえた対応か確認する

M&A戦略の相談先を選ぶ際は、中小M&Aガイドラインを踏まえた対応か確認しましょう。

中小M&Aガイドラインは、中小企業のM&Aを進める際の留意点をまとめた資料です。

2024年8月の第3版では、仲介者・FAの手数料や提供業務、広告・営業、利益相反などの内容が見直されています。

中小M&Aガイドラインを踏まえた相談先か見極める際は、以下の点を確認しましょう。

  • 手数料の算定基準を説明してくれるか
  • 提供業務の範囲を具体的に示してくれるか
  • 専任条項やテール条項を説明してくれるか
  • 利益相反のリスクを説明してくれるか
  • 同業界や近い規模の支援経験を確認できるか

中小M&Aガイドラインを踏まえた相談先なら、契約内容や進め方を確認しながら、納得感を持ってM&Aを進めやすくなります。

まとめ|M&A戦略を整理して自社に合う相談先を見つけよう

M&A戦略を立てる際は、売却や買収を進める前に、目的・相手先・条件・相談先を整理することが大切です。

判断基準が曖昧なまま進めると、価格や知名度だけで判断してしまい、成約後の引き継ぎでつまずくおそれがあります。

M&A比較ナビでは、複数のM&A仲介会社を比較しながら、自社の目的に合う相談先を探せます。

戦略の方向性を整理したうえで専門家に相談したい方は、まずは無料相談をご活用ください。

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M&A戦略に関するよくある質問

以下では、M&A戦略を進めるうえで寄せられることの多い質問とポイントを整理しています。

M&A戦略の立案は自社だけでできますか?

自社だけでも、M&A戦略の方向性は整理できます。

ただし、企業価値の算定や候補先探し、契約条件の確認まで自社だけで判断するのは難しい場合があります。

まずは自社の課題や希望条件を整理しましょう。

そのうえで、条件の妥当性や相談先選びに迷う場合は、専門家への相談を検討することが大切です。

相談先選びに迷う場合は、複数の仲介会社を比較できるM&A比較ナビの活用も選択肢です。

自社の目的や状況に合う相談先を探したい方は、無料相談を検討してみてください。

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M&A戦略コンサルと仲介会社の違いは何ですか?

M&A戦略コンサルやFAは、M&Aの目的や進め方を整理する支援を行います。

一方で、仲介会社は売り手と買い手の間に入り、候補先探しや交渉の調整を行う相談先です。

たとえば、後継者不在を解決したい段階では、まず戦略コンサルに相談し、売却以外の選択肢も含めて整理する方法があります。

具体的な買い手を探す段階では、仲介会社への相談が選択肢になります。

相談先を選ぶ際は、支援範囲と費用を確認しましょう。

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