会社売却で失敗しないためには、売却目的や譲れない条件、買い手選びの基準を事前に整理しておくことが大切です。
準備不足のまま進めると、希望条件で成約できなかったり、売却後に従業員の処遇や契約条件で後悔したりするおそれがあります。
本記事では、会社売却で失敗する原因や失敗しやすい経営者の共通点、売却前に確認したいポイント、仲介会社の選び方を解説します。
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会社売却で失敗する7つの原因
会社売却は、準備不足のまま進めると、希望条件での成約が難しくなる場合があります。
特に、売却目的や希望条件が曖昧な状態では、判断がぶれやすくなります。
会社売却で失敗する原因は、主に以下の7つです。
- 売却の目的が曖昧なまま買い手を探してしまう
- 業績が悪化してから会社売却を始めてしまう
- 自社の価値を高く見積もりすぎて交渉が進まない
- 情報漏えいで従業員や取引先に不安が広がる
- 簿外債務や契約トラブルを整理しないまま進める
- 従業員の処遇を確認せず売却後の離職につながる
- 仲介会社を比較せずに依頼してしまう
会社売却で後悔しないためには、早い段階で失敗しやすいポイントを把握することが大切です。
そのうえで、自社の状況に合う進め方を整理しておきましょう。
1. 売却の目的が曖昧なまま買い手を探してしまう
売却の目的が曖昧なまま買い手を探すと、候補先を選ぶ基準がぶれやすくなります。
たとえば、「従業員の雇用を守りたい」のか、「できるだけ高い価格で売りたい」のかによって、優先する買い手や交渉条件は変わります。
目的を整理しないまま話を進めると、提示価格だけで判断してしまい、売却後に従業員の処遇や事業方針で後悔するかもしれません。
会社売却を検討する段階では、まず「なぜ売却するのか」「売却後に何を残したいのか」を明確にしておくことが大切です。
2. 業績が悪化してから会社売却を始めてしまう
業績が悪化してから会社売却を始めると、買い手候補が限られたり、希望条件での交渉が難しくなったりする場合があります。
買い手は、売上や利益だけで判断するわけではありません。
買い手が確認する項目は、以下のとおりです。
- 将来の収益見込み
- 借入金の状況
- 資金繰り
- 取引先との関係
たとえば、赤字が続き、主要取引先との契約も減ってから売却を始めると、買い手は「買収後に立て直せるか」を慎重に判断します。
その結果、価格の引き下げや条件変更を求められる可能性があります。
会社売却を選択肢に入れるなら、業績が落ちきる前に検討を始めることが重要です。
黒字や安定した取引が残っている段階であれば、買い手候補や交渉条件の選択肢を確保しやすくなります。
3. 自社の価値を高く見積もりすぎて交渉が進まない
自社の価値を高く見積もりすぎると、買い手との価格差が埋まらず、交渉が進みにくくなるでしょう。
会社への思い入れや過去の投資額を価格に反映したくなる場合もありますが、買い手は将来の収益力・財務状況・事業リスクを見て判断します。
たとえば、売り手が「3億円で売りたい」と考えていても、買い手が利益や資産状況から「1億円台が妥当」と判断すれば、面談後に交渉が止まる可能性があります。
会社売却では、希望価格だけで進めず、企業価値評価の考え方や買い手側の見方を踏まえて価格帯を整理しましょう。
4. 情報漏えいで従業員や取引先に不安が広がる
情報漏えいが起きると、会社売却の交渉が止まったり、従業員や取引先に不安が広がったりするおそれがあります。
会社売却の検討自体が外部に伝わるだけでも、「雇用は守られるのか」「取引条件が変わるのか」と受け取られる場合があるためです。
たとえば、買い手候補に渡した資料が関係者へ広がると、従業員の退職や取引先からの確認連絡につながる可能性があります。
会社売却を進める際は、情報を共有する相手と範囲を絞る必要があります。
そのうえで、秘密保持契約を結んでから資料を開示しましょう。
5. 簿外債務や契約トラブルを整理しないまま進める
簿外債務や契約トラブルを整理しないまま会社売却を進めると、買い手の調査で問題が見つかり、価格の引き下げや交渉停止につながる場合があります。
買い手は、売却後に引き継ぐリスクがないかを確認するのが一般的です。
そのため、帳簿上の数字だけでなく、以下のような項目も確認します。
- 取引先との契約条件
- 未払い残業代
- 保証債務
- 訴訟リスク
たとえば、決算書には表れていない未払い賃金が後から判明する場合があります。
また、口頭で続いている取引条件が問題になることも少なくありません。
このようなリスクが見つかると、買い手は「売却後に負担を負う可能性がある」と判断しやすくなります。
会社売却を進める前に、債務・契約・労務関係のリスクを洗い出し、買い手へ説明できる状態に整えておきましょう。
6. 従業員の処遇を確認せず売却後の離職につながる
従業員の処遇を確認しないまま会社売却を進めると、売却後に不満や退職につながるおそれがあります。
従業員にとっては、雇用が続くか、給与や勤務地、役職が変わるかが大きな関心事になるためです。
たとえば、売り手が「従業員の雇用は守られるはず」と考えている一方で、買い手側が一部の配置転換や勤務条件の変更を想定しているケースもあります。
事前に確認していなければ、売却後に認識のズレが表面化する可能性があります。
会社売却を進める際は、以下の項目を確認しておきましょう。
- 給与
- 雇用形態
- 勤務地
- 役職
- 退職金の扱い
そのうえで、売り手として譲れない条件を整理することが重要です。
7. 仲介会社を比較せずに依頼してしまう
仲介会社を比較せずに依頼すると、手数料や支援範囲、得意業種が自社に合わないまま会社売却を進めてしまうおそれがあります。
仲介会社によって、買い手候補の探し方、担当者の経験、着手金や成功報酬の仕組みは異なるためです。
たとえば、製造業の売却を相談したいのに、店舗ビジネスの支援が中心の会社へ依頼すると、候補先の提案が限られる可能性があります。
会社売却を依頼する際は、1社だけで判断せず、複数の仲介会社を比較し、自社の業種や規模に合う相談先かどうかを見極めましょう。
会社売却で失敗しやすい経営者の共通点
会社売却で失敗を防ぐには、準備や相談を後回しにしないことが重要です。
売却時期や買い手の条件を整理しないまま進めると、交渉で判断に迷ったり、価格だけで相手を選んだりするおそれがあります。
会社売却で失敗しやすい経営者の共通点は、以下の3つです。
1. まだ売らないと考えて準備を先延ばしにする
会社売却は、本格的に売却を決める前から準備を始める必要があります。
業績悪化や後継者不在が深刻になってから動くと、買い手候補が限られ、希望条件で交渉しにくくなるためです。
たとえば、不動産売却で条件を整理しないまま買い手を探すと、希望と異なる契約になりやすいのと同じです。
会社売却でも、財務資料や契約関係、従業員の処遇を事前に整理しておかなければ、買い手との条件交渉で判断に迷いやすくなるでしょう。
早めに準備を進めることで、売却時期や買い手の条件を落ち着いて検討しやすくなります。
2. 価格だけで買い手を選ぼうとする
価格だけで買い手を選ぶと、売却後のトラブルにつながるおそれがあります。
会社売却では、売却価格だけでなく、従業員の雇用や取引先との関係、経営方針の相性も確認しなければなりません。
たとえば、高い買収価格を提示されても、売却後に従業員の待遇や勤務条件が変われば、社内に不満が広がる可能性があります。
事前確認を怠ると、売却後に想定外の負担が残る可能性があります。
価格だけで判断せず、売却後の事業方針や従業員の処遇まで確認して買い手を選ぶことが大切です。
3. 専門家に相談する前に自分だけで進めてしまう
専門家に相談する前に自分だけで進めると、条件や契約内容の見落としにつながるおそれがあります。
会社売却では、価格交渉だけでなく、手数料、契約条項、情報管理も確認が必要です。
不動産売買で契約条件を十分確認しないまま進めると、後から追加負担が発生する場合があるのと同じです。
会社売却でも、契約条項や売却後の義務を十分に確認しないまま進めると、想定外の負担が残る可能性があります。
早い段階で専門家に相談し、判断材料を整理してから進めることが大切です。
会社売却で失敗しないために売却前に確認すること
会社売却で失敗を防ぐには、売却前の準備が重要です。
売却理由や希望条件が曖昧なまま進めると、買い手との交渉で判断に迷いやすくなります。
会社売却前に確認することは、以下の5つです。
1. 売却理由と譲れない条件を整理する
売却理由と譲れない条件は、買い手を探す前に整理する必要があります。
判断基準がないまま交渉を始めると、価格や引き継ぎ条件を比べにくくなるためです。
たとえば、店舗を手放す場合でも、閉店したいのか、従業員の雇用を残したいのかで選ぶ相手は変わります。
会社売却でも、目的によって優先したい条件は異なります。
そのため、売却前に理由と条件を言語化し、交渉時の判断軸を持っておきましょう。
2. 決算書や契約書など買い手が見る資料を整える
決算書や契約書などの資料は、買い手に提示する前に整えておく必要があります。
買い手は、デューデリジェンス(DD)で財務や契約の内容を確認するためです。
たとえば、家を売るときに図面や修繕履歴が不足していると、買い手は購入判断に必要な情報を確認しにくくなります。
会社売却でも、決算書や借入金の明細、取引先との契約書が整理されていないと、確認に時間がかかります。
資料不足は条件交渉に影響する可能性があるため、早めに整理しておきましょう。
3. 自社の強みと弱みを第三者目線で把握する
自社の強みと弱みは、買い手の視点で整理しておく必要があります。
経営者が魅力だと思う点と、買い手が評価する点が一致するとは限らないからです。
たとえば、長年の勘に頼った仕入れ管理は、経営者にとって強みに見えても、買い手からすると「引き継ぎにくい仕組み」と評価されるかもしれません。
アピールポイントだけでなく、弱みについても客観的に整理しておくことで、買い手への説明がスムーズになります。
4. 売却後の経営者の関与期間を確認する
売却後に経営者がどのくらい関わるのかは、契約前に確認しておきたい項目です。
退任時期や役割が曖昧なままだと、売却後も想定以上に現場対応を求められる可能性があります。
「取引先との関係や従業員への説明を前経営者に一定期間任せたい」と考える買い手もいるでしょう。
主要取引先へ後任担当者を引き継ぐのと同じように、会社売却でも、円滑に交代するために一定期間の関与を求められる場合があります。
そのため、売却後の関与については、期間だけでなく、担当する業務範囲まで確認しておくことが大切です。
5. 複数の仲介会社に相談して比較する
複数の仲介会社に相談してから、依頼先を決めることが大切です。
仲介会社によって、得意な業種や案件規模、手数料、担当者の進め方は異なります。
たとえば、引っ越し業者を選ぶ際に1社の見積もりだけでは妥当性が判断しにくいのと同じように、会社売却でも複数社の話を聞くことで、条件やサポート範囲の違いが見えてきます。
確認したい項目は、以下のとおりです。
- 自社の業界に近い支援実績があるか
- 手数料の金額と発生時期が明確か
- 担当者がどこまで支援するか
複数の仲介会社を比較することで、1社の意見に偏らず、自社に合う相談先を見極めやすくなります。
会社売却の失敗を防ぐ仲介会社の選び方
会社売却の失敗を防ぐには、仲介会社を比較して選ぶことが大切です。
成約実績の数だけで判断すると、自社の業界や規模に合う支援を受けられない場合があります。
仲介会社を選ぶ際は、以下の4つを確認しましょう。
1. 自社の業界に近い成約実績があるか確認する
仲介会社を選ぶ際は、自社の業界に近い成約実績を確認しましょう。
同じ会社売却でも、業界によって買い手の評価ポイントや求められる資料が異なります。
たとえば、飲食店であれば立地や店舗の運営状況が重視されますが、製造業では設備や取引先との契約内容がチェックされやすくなります。
全体の成約件数だけで判断するのは避けましょう。
自社に近い業界や規模での支援経験まで確認することで、依頼後のミスマッチを防ぎやすくなります。
2. 手数料だけでなく支援範囲を確認する
手数料の安さだけで仲介会社を選ぶと、必要な支援を受けられない場合があります。
会社売却では、買い手探しだけでなく、資料整理や条件交渉、契約前の確認まで対応範囲を見ることが重要です。
たとえば、不動産売買でも、仲介範囲や追加費用によって総額が変わるのと同じです。
会社売却でも、着手金や成功報酬だけでは判断しにくい部分があります。
相談時は、どの段階まで支援してもらえるかを確認しておきましょう。
3. 担当者がリスクも説明してくれるか確認する
担当者がリスクや懸念点まで具体的に説明してくれるかどうかも、依頼前に確認したいポイントです。
良い条件ばかりを強調されてしまうと、契約後の負担や買い手との認識のズレに気づきにくくなります。
たとえば、保険に加入する際、補償内容だけでなく「対象外になる条件」も確認するのと同じです。
会社売却においても、経営者保証の扱いや従業員の処遇、契約後の義務など、売り手にとって負担になりやすい項目こそ事前に確認しておく必要があります。
メリットだけでなく、注意点も具体的に説明してくれる担当者かどうかを見極めましょう。
4. 買い手候補の出し方が自社に合うか確認する
買い手候補の探し方や提案方法は、仲介会社に依頼する前に確認しておきましょう。
むやみに候補先の数を広げればよいわけではなく、情報が意図せず広がるリスクにも注意を払う必要があります。
たとえば、転職活動で今の勤務先に知られないよう応募先を絞るのと同じです。
会社売却においても、競合企業や取引先に打診するかどうかは、慎重に判断しなければなりません。
仲介会社がどのようにリストを作成し、どのような順番でアプローチしていくのか、具体的な進め方まで把握しておきましょう。
まとめ|会社売却で失敗しないために早めに相談先を比較しよう
会社売却のミスマッチや売却後のトラブルを防ぐには、早い段階で目的を整理し、複数の仲介会社を比較して相談先を選ぶことが大切です。
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会社売却の失敗に関するよくある質問
以下では、会社売却の失敗を回避するために寄せられることの多い質問とポイントを整理しています。
- 会社売却で一番多い失敗は何ですか?
-
会社売却における一番多い失敗パターンを示す公的な統計データは、公表されていません。
しかし、実際の現場で特に注意しておきたいのは、売却の目的や譲れない条件が曖昧なまま進めてしまうケースです。
たとえば、「従業員の雇用を守りたい」のか「少しでも高い価格で売りたい」のかによって、優先する買い手の条件は変わります。
売却後に「想定していた引き継ぎと違った」と後悔しないよう、会社売却を進める前に売却理由と譲れない条件を整理しておきましょう。
- 赤字でも会社売却できますか?
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赤字でも、会社売却できる可能性はあります。
買い手は現在の利益だけでなく、長年培った取引先との関係、技術、従業員の経験、店舗の立地といった資産も総合的に評価するためです。
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ただし、資金繰りが悪化しきってしまうと交渉が難航しやすいため、早めに専門家へ相談することが重要です。
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